自民党の安倍晋三総裁は7月10日夜、NHKの番組に出演して「いよいよ憲法審査会に議論の場が移る。議論しどの条文をどのように変えるか集約されていく」と、参院選の結果を受けて、憲法改正に必要な手続きを行う考えを表明した。
自民党など改憲に前向きとされる4党で78議席をうかがう情勢で、非改選議席も含めて憲法改正の国会発議に必要な3分の2(162議席)に迫る勢いと報じられたことを受けて、司会者の質問に答えた。
安倍氏は、「自民党は、そもそも憲法を改正するということで立党している。(憲法の)どこをどのように変えるということについてもそれぞれ(の党で)議論がある。これからはいよいよ憲法審査会に議論の場がしっかり移っていって、そこで議論し、どの条文をどのように変えるかについて集約されていくんだろうと思います」と話した。
一方、自民党との連立政権を組む公明党の山口那津男代表は、憲法9条改正については、「当面、必要ないと思います。憲法解釈の限界をきっちり決めた平和安全法制の有効性を確かめるべきで、9条の改正は必要ないと思っています」と話した。
また、山口代表は「連立政権のいいところは、幅広い民意を受け止めて合意を作る、政策として実行する力があるということ。ここに公明党の存在価値が評価されていると思うのでぜひその点を発揮していきたい」とも述べ、自民一強時代の中でも、党としての存在感を発揮していく考えを示した。
与党で過半数議席確保の阻止を掲げていた民進党の岡田克也代表は「残念ながら実現できませんでした。私は代表ですから責任はあります」としたが、参院選後の辞任については「私の任期は9月まで、そこまではしっかりと務めてまいります」と否定、その後は白紙と述べた。
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