最近、「安倍政権が極右翼化している」という声を聞きます。「自民党のリベラル勢力が急速に力を失った」とも言われています。また、安保法案に関しては、大半の憲法学者が「憲法違反だ」と指摘しています。
さらに最近は、安倍政権の中核にいる人々から「政権に逆らうメディアはこらしめるべき」「日本国憲法の基本的人権が日本をダメにしている」などの過激な、「言論の自由」や「立憲主義」に反する発言すら飛び出しています。
そして、安保法案に反対する何万人もの人たちがデモを始めています。左翼活動家ではない、ごく一般的な市民や学生たちが声をあげ始めたのです。
一体、日本には何が起こっているのでしょうか?政権が右翼化することのどこが問題なのでしょうか?
普段、政治に興味のない人たちにはとても難しい話だと思います。そこで、「安倍政権の右翼化」を説明するための図を書いてみました。
ベースになるのは、この図です。
右翼的な考え方を右に、左翼的な考え方を左に置いてあります。まっすぐな線でないのには理由がありますが、それは下で説明します。
第二次世界大戦当時の代表的な国の名前を重ねると下の図のようになります。
右と左の極端にある大日本帝国とソ連ですが、一つの共通点がありました。それを表したのが下の図です。
合衆国憲法により、政治家の暴走を許さず、国民の人権を何よりも大切にしていた米国と違い、大日本帝国とソ連の指導者たちは、大きな力を持ち、報道規制をし自国民の人権を侵害して来たのです。
「米国の捕虜になったら殺されるから、捕まる前に自決しろ」「一億玉砕だ」と言って、尊い日本人の命を奪った日本軍の行動が、その典型です。
敗戦により、日本にも人権を重視した日本国憲法が出来、民主主義国家としての70年が過ぎようとしています。70年間、政治家の暴走により、日本が無駄な戦争に巻き込まれなかったのは、日本国憲法のおかげなのです。
そして今、その日本国憲法を否定し、憲法違反の安保法を強行採決した上に、人権よりも国家の秩序や国家の利益を上においた新しい憲法を制定しようとしている安倍政権が誕生しました。それを図式化したのが下の図です。
この図を見ていただいても分かる通り、今、危機に瀕しているのは、70年間、政治家の暴走を止める役を果たしてきた日本国憲法であり、それによって守られてきた民主主義なのです。
日本人を戦争やテロに巻き込むのは、中国や北朝鮮ではありません。日本を大日本帝国の時代に引き戻そうとする右翼政治家たちなのです。