アメリカン航空機で乗務員がベビーカーを無理やり取り上げる? 味方しようとした男性乗客と口論に(動画)

「殴れよ。ほら、殴れよ」

アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコの空港で、4月22日、テキサス州ダラス行きのアメリカン航空591便が離陸する直前の機内で女性客と乗務員との間でトラブルが発生した。女性客からベビーカーを無理やり取り上げたとみられる場面や、女性客の味方をしようとした男性客と激しい口論になる様子をとらえた動画が公開された。

動画には、赤ちゃんを抱えた女性客が号泣する場面やアメリカン航空の従業員が男性客に向かって「どうした、殴ってみろ」と挑発する場面が映っている。この動画を投稿した乗客によると、「乗務員が母親から無理やりベビーカーを取り上げた。その時にベビーカーが母親の顔に当たった。子供にも当たりそうになった」「乗務員はその後、その母親を守ろうと立ち上がった乗客とも口論になった」と書いている。

アメリカン航空は22日、591便がダラス・フォートウォース国際空港に着陸した直後、この事件を調査するという声明を発表した。同社は「深くお詫び申し上げます」と謝罪し、この従業員を「業務から外した」という。

乗り合わせていたスライン・アジャンタヤさんが、この動画を撮影した。その中では、女性が飛行機の前側に映っており、赤ん坊を抱えて泣いている。アジャンタヤさんはFacebookで、「搭乗中に客室乗務員がこの女性からベビーカーを乱暴に取り上げ、その時に彼女にぶつかった」と説明した。動画ではもう一人の搭乗客から、「彼がベビーカーで彼女の顔を殴ったんだ」という声が聞き取れる。

「オー・マイ・ゴッド!アメリカン航空の乗務員が、赤ちゃんを連れた女性からベビーカーを奪い、女性にぶつけた。赤ちゃんには当たらなかったようだ」と、アジャンタヤさんはFacebookで説明した。「そして、彼女を助けようとした乗客とけんかになった」

ABCニュースは、アルゼンチン人とみられるその母親が、なぜベビーカーを取り上げられたのか理解していなかったようだと報じている。

さらに動画では、ベビーカーを返すよう泣いて訴え続ける母親に代わり、乗務員の対応を批判する男性客と女性客が映っている。

動画の途中で、ベビーカーを取り上げたとみられる、首にIDバッジを付けた男性乗務員が再び飛行機に乗り込み、パイロットに待機するよう話している。

抗議したあと自分の席に戻っていた男性客が再び立ち上がり、乗務員を指差し、「おい、俺にそんなことをしたら、殴り倒すぞ」と怒鳴った。

すると男性乗務員は「やってみろよ」と応戦。「殴れよオラ、殴れよ。オラ、かかってこい。何も事情をわかってないくせに」と言った。

パイロットとフライトアテンダントが、両者に割って入り、制止した。

「事情なんて知ったこっちゃねえよ」と、男性客は叫んだ。「赤ん坊に怪我させようとしたのはお前だぞ!」

アジャンタヤさんによると、その女性と子供は、飛行機から降りるように案内されたという。

アメリカン航空は、「この動画には、私たちの価値観、お客様に対するサービスが反映されておりません」という声明を出し、社内調査を開始した、と発表した。

声明を出したアメリカン航空は、騒動の内容については詳しく説明していないが、乗客と家族に謝罪した。乗客と家族に謝罪した。「ご家族は別の便のファーストクラスに乗っていただき、ご本人とそのご家族に対して、特別な配慮をしました」と述べている。

アメリカン航空の声明全文は以下の通り。

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私たちは動画を確認し、情報収集を開始しました。この動画に映っている様子は、私たちの価値観や私たちのお客様に対するサービスを反映するものではありません。今回のお客様、ならびにご家族、そして今回の騒動の影響を受けられた他のお客様すべてに対し、私たちが与えてしまった苦痛を心よりお詫び申し上げます。お客様をサポートする間、私たちはお客様のご家族の要望がすべてが満たされるよう努めております。別便へのご搭乗が決定しました後、私たちはお客様及びご家族に特別の配慮をいたしており、残りの海外渡航分をファーストクラスにアップグレードしております。

動画に映っております私たちのチームメンバーの行動は、寛容と共感という、お客様への心遣いに必要な2つの価値観を反映しておりません。私たちは動画に映し出された行動に失望しております。私たちは動画に映し出された行動に失望しております。この乗務員は、この事件を調査する間、任務から外します。

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アメリカではここ最近、航空機内で乗客と乗務員のトラブルが大きな波紋を呼んでいる。ユナイテッド航空は4月9日、シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きの3411便で、医師デビッド・ダオさんが購入していた席を同社の従業員に譲らなかったため警察に通報し、ダオさんを強制的に機内から引きずり出した。ダオさんは、患者を診るために帰宅しなくてはならないのでフライトの変更を拒否していたと語った。引きずり出された時、鼻を骨折し、脳震とうを起こしたという。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。