ジェイド・ビオールが自身の分娩後を撮った一連のセミヌードの写真をネット上で発表し、それに次いで発表した友人のセミヌードの写真が彼女のフォトスタジオのフェイスブックで何千人もの「いいね!」と「シェア」を集めた時、彼女は人々の心を打ったのだと気づいた。何百人も母親たちが、ビオールに同じように彼女たちのありのままの姿のポートレートを撮って欲しいと手紙を寄せた。一児の母でもある写真家はこの反響の大きさに心を動かされ、彼女たちの要望に応えた、大々的に。
そして、この女性たちの写真 (ビオールはこれまでに50人以上の母親を撮影し、まだ撮影を継続中だ) と、彼女たちの自己懐疑から自身の身体への自信回復までの変遷の記述は、ビオールがクラウドファンディング (インターネットを利用した募金) やボランティアのちからを借りて出版にこぎつけた「ビューティフル ボディ」という写真集として発表される。一冊にまとめらた一連の写真は母親たちの本当の姿、完璧ではないが社会が言うようなの身体的「欠点」ではなく、美しいものであることを表現することを意図している。
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自身の幼い息子セコイアが1歳と4ヶ月になる写真家は、今回のコンセプトは彼女自身が常に抱いて来た恐れ、特に自分が出産をしてから彼女を打ちのめした恐れに端を発していると言う。HuffPostへのメールで彼女はこう述べている:
十代の時、私は深い自信喪失に悩んでいました。ニキビがひどくて、3年近くロウソクの光の下以外では自分の顔を鏡で見ることもできなかった。妊娠して23キロも太ると、メディア上のフォトショップで修正された女性の写真がもてはやされる今の文化の中で、私の自己嫌悪の歴史にはあらたなページが加えられたわ。
この企画は志願した女性たちによって成り立っていて、ビオールはすべての撮影を無償で行っている。Kickstarterに文章を載せ、集めたお金は志願者たちがアリゾナ州ツーソンの彼女の写真スタジオまで来るための旅費に当てる計画だ。
「私たちが今目の当たりにしているのは、美しいと呼ばれることに値しないと感じている女性たちの急増なのです。」ビオールはHuffPostの取材に、「ほとんどの女性がありのままの自分を美しいと思えないのが今の時代」と言う。そして出産をした女性に対する世間の目はさらに無慈悲だ。「出産後に体型を元に戻せない母親は恥ずべきこととしてダメ出しされた心境になる。母親になることだけで十分大変なことなのに。まして多くの女性たちは出産以前にも美しくないと感じながら生きて来たのだから」と彼女は言う。
ビオールのカメラの被写体になる気分がどんなものかちょっと知りたければ、ヨガ セラピストのミシェル・マークス (以下のギャラリーの16番目のスライドに登場) が恐怖から高揚感への彼女自身の変化の経験をOffbeat Homeに書いている。完成した作品を見た時、彼女は涙をこらえられなかったと言う:
私はジェイドに自分のすべてをさらけ出しました。私の肉体や、普通は隠されている部位だけでなく、アングルとか身体の線とか、母親になったことで現れた私の身体の表情すべてを。そうすることは、2回の妊娠・出産を経た私の身体がどのように変化したかや、私が母親になることを決意した時から私のものとなった想像もしていなかった母親としての自分やその人生、それを受け入れたことで私の身体に刻まれた物語を浮き彫りにしてくれるものでした。
自分の写真は「薬のようなもの」というビオールは、この写真集は写真に撮られることを志願した女性たちだけでなく、今の社会の歪んだ価値観を治癒する薬にしたいと思っている。
いずれ彼女は自分の想いをもっと色々な本にしていきたいと願う。老いや癌、摂食障害なども取り組んで行きたいテーマだ。また女性だけでなく男性も被写体にして、雑誌や映画など、他の媒体にもその表現の場を広げていきたいと考えている。「私の夢は私たちが皆自分自身に、そして他人に優しくなる活動の一端を担うこと。そして若い人たちが、私がそうであったように自分が美しくないという想いから、貴重な人生の時を自己嫌悪で無駄にしてしまわないような時代が来るのを見届けたいの」とビオールは言う。
1月に出版を予定している100〜150ページほどのこの写真集はすでにKickstarterでの目標募金金額の2万ドルを超えた (この記事が書かれた時点で、残り6日、ビオールは3万5,000ドル近い募金を達成した)。
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