まあ、結局はしなかったのだけど。私たちはもう少しで「母乳をあげることには賛成だけど、これは......」という人たちの反響の波を、8月初旬にあった「世界母乳育児週間」で引き起こすところでした。
結局は、しなかったのだけど。
なぜなら今現在、そこには嵐が吹き荒れているから。まさしく、ミルクの嵐が。このどう見ても自然で美しい写真に対して――。
こちらはジェシカ・アン・コレッティさん。自分の息子(右)と仕事中の友人の息子(左)の両方に、母乳を与えているママです。
素敵でしょう? 素晴らしい姉妹愛! #MilkSiblings(ミルクきょうだい)なんて最高のハッシュタグです! 育児と仕事を両立させる素晴らしいアイデアね!
でも、ほらね......遠くでぶつぶついってるのが聞こえます。うるさ型の人たちの聞き覚えのある叫びが私たちの方に向かってきています。気を引き締めて。私たちはどうやら恐ろしい人たちを怒らせてしまったみたいで......。
これは、私が自分のFacebookページでシェアしたもともとの投稿です(このページは現在、どのようなかたちの授乳も一般的なものにする活動の場にしています)。
ママのジェシカさんは、こう言っています。
「右の私の息子は、生後1歳4カ月で友人の息子は生後1歳半になるの。彼女が働いている間は、私が世話を見てあげていて、2人に授乳を始めてからもう1年になるわ! ミルクきょうだいの2人はとても仲が良くて、それは私たち全員の間で特別な絆になったんです」
ショックに満ちた「気持ち悪い!」の叫びにフィルターをかけると......この写真への賛同の声もたくさん聞こえてきます。なぜなら(少なくとも私の読者の)多くの人たちが、こんなふうに代理で母乳を与えることを実践する、本当の意味をわかってくれているからです。それが、ママ本人の授乳に代わる素晴らしい代替案だということが。
もしあなたが(周りの声など)様子をうかがっていて、何かもう一押しが必要なら、さらに情報をお伝えしましょう。世界保健機関(WHO)の「幼児および小児の摂食に関する世界的戦略」がリストアップしている、本人による授乳への「最善とされる代替案」からの引用です。
・幼児自身の母から搾り取った母乳。
・健康な乳母あるいは母乳バンクの母乳。
・カップによる母乳の代わりとなるものの摂取。
母乳を与えることがそう簡単はないと感じたとき、あるいは母乳を与えることがエベレストを登るみたいに大変なことのように思えるとき、多くのママたちが感じる苛立ちや悲しみ、そして怒りを、私は理解できます。わかるんです、本当に。でも、この中立的なリストは、ママたちに嫌な思いをさせるために作られたわけではありません。これはWHOとユニセフによって、正確な情報、そして事実を伝えるために作られたのです。
健康な乳母は、本人による授乳への最善の代替案のひとつ。全然出てくる気配のない母乳を一生懸命絞り出そうとしているママや、母乳が出づらくなってきたのを何とかしようとするママにとって、乳母は完璧な解決法となりうるのです。
写真に写っているジェシカさんは、私にこう言いました。
「友人の息子に授乳するっていう考えは自然に思いついたんです。あの子が5カ月のときからベビーシッターをするようになって、彼女が初めて私の所に預けにきたときに『授乳をしていい?』って聞いたの。私もそのとき、すでに3カ月の息子に授乳をしていたから。彼女はとてもうれしそうに『イエス』と返事してくれました。なぜなら、友人はとても授乳に苦労していて、授乳ができたのも9カ月間だけだったから。彼女は、自分が働いている間に、息子が必要な栄養と面倒をみてもらえることをいつも嬉しく思っていたわ。彼女の赤ちゃんに私が授乳をできたことによって、私たちの間には特別な絆が生まれたの。その絆を、私はいつまでも大切にすると思うわ」
モカ・カプチーノに他の種のミルクが入っていても、何ら異議の起こらない社会で、人間の赤ちゃんが人間のミルクを飲むことに対する、一般的なスタンスをそろそろ改めるべきではないでしょうか。人工ミルクを赤ちゃんに与えることを「普通」としている社会なら、上に挙げたリストにもう少し目を向けてもいいのではないでしょうか。子供たちと未来の世代の健康を改善するという、たった1つの「ゴール」を念頭に置いて作成された、WHOのリストに。
とてもシンプルなことですが、事実に勝るものはありません。今こそ、どんなかたちの授乳も、普通のこととして受け入れていくべきではないでしょうか。
このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。