タバコを吸わない人に有給休暇を与える−−。
働き方改革が叫ばれ、社員が十分な休みを取れるよう各企業が努力する中、なんとも珍しい休暇制度を導入する会社が現れた。
■きっかけは社員の意見を聞く「目安箱」
導入のきっかけは、社員が匿名で直接社長に対して意見・要望を伝えられる「目安箱」。ある社員から、「喫煙者は通常の休憩時間以外にも数回、業務を離れることがあり、非喫煙者との業務時間の差が問題ではないか?」という意見が寄せられた。
この意見を基に、労働時間の"不平等感"の解消と、禁煙促進による健康増進を図ることを目的に、「スモ休」の導入を決めた。
同社の広報担当者は8月30日、ハフポスト日本版の取材に対して「社長も社員の意見に理解を示した。自身の健康や喫煙について振り返り、禁煙を考えるきっかけにしてほしい」と制度の狙いを説明。
6日間という日数の根拠については、次のように語る。「会社が入るビル内に喫煙室があり、1回の喫煙は移動時間も含めて20分ほど。1日2回と仮定すると1日40分、週200分です。これを年計算すると休暇の日数はもっと多くなるのですが、極端に増やしすぎると業務に支障が出るので、6日間にしました」。
制度は自己申告で、喫煙者が禁煙になった場合も対象となるが、申請の内容に虚偽があった場合は制度が利用できなくなるという。
■社内では好評、ネットは賛否
100人ほどの社員のうち、喫煙者は約35%。喫煙者からの不満はなかったのか。
担当者は「タバコを吸わない人は単純に休みが増えますし、この制度をきっかけにタバコをやめるのを決めた社員もいます。喫煙者からも『健康を考えていて良い制度』といった反応があり、特に不満などは聞いていません」と語る。
現在、約60%ほどの有給休暇の取得率についても「新しい制度をきっかけに、有給休暇の取得の促進にもつなげたい」と期待した。
この取り組みが報道されると、ネット上では「どの会社でも実施してほしい」「みんな休みたいときに休んだらいい」などと賛否の声が広がった。