11月22日朝に発生した地震の影響で、東北地方を中心に太平洋沿岸各地で津波の到達が報告されている。気象庁では津波注意報や警報を出し、海岸や川の河口付近に近づかないよう呼びかけている。
港湾空港技術研究所の有川太郎・上席研究官(2010年当時)は、実験で調べたところ、浸水の高さが約30cmでも、女性の6割が転倒したりよろけたりすると指摘している。
港湾空港技術研究所は、成人男女20人に大型水槽に入ってもらい、津波と同じように水を流して立っていられるかなどを調べた。すると、約30センチで女性の6割が転倒したりよろけたりした。40センチでは女性の9割、70センチになると全員が普通に立っていられなかった。
(朝日新聞デジタル「津波の教訓-災害大国あすへの備え」より)
有川氏は2010年の日本地震学会の広報紙で、50cmの津波で成人男性の80%が流される実験結果を紹介。港湾空港技術研究所で実施された同様の実験結果が、2010年9月公開の映画『TSUNAMI』の番宣動画に収められている。
また有川氏は、2010年に発生したチリ大地震でロビンソンクルーソー島を襲った津波の事例も紹介。浸水範囲と死者が住んでいた場所をマッピングしたところ、浸水範囲ぎりぎりのところでも、死者が発生していると強調している。
四国地方整備局那賀川河川事務所によると、内閣府が東日本大震災の被害実態などをもとに分析したデータでは、津波に巻き込まれた場合、浸水深0.3m以上で死者が発生、津波浸水深1mでは死者率100%に達するという。以下に、港湾空港技術研究所で実施された、1mの津波実験の様子を紹介する(音量に注意)。