軽自動車と旧車が増税となる「平成26年度税制改正大綱」発表

軽自動車税について「もう、新車を買ってくれる人のことしか頭にないのでは...」と思うのは、なかなか新車に買い換えることが出来ない者のひがみだろうか。自工会の「事業内容」には「自動車産業における知的財産の保護に関すること」という項目こそあるが、なるほど「文化」「歴史」「遺産」という言葉は一切ない。
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12月12日、自民党と公明党から「平成26年度税制改正大綱」が発表された。昨日の記事でお伝えした、自民党内で討議されていた改正案に比べると、少しだけ旧車オーナーにやさしかった、とは言えるのだが...。

まず、軽自動車税については事前に言われていた通り。「平成27年度以降に新たに取得される四輪車等の税率を、自家用乗用車にあっては1.5倍に、その他の区分の車両にあっては農業者や中小企業者等の負担を考慮し約1.25倍にそれぞれ引き上げる」という。

具体的には乗用・自家用車(4輪以上)が現行の7,200円から10,800円へ。自家用として軽トラックや軽バンを使っている人は1.25倍の方が適用されので、現行の4,000円から5,000円となる。

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次に読者の皆さんからも反対意見が多く寄せられた旧車に対する増税について。

自動車税については以下の通り。

「平成26年度及び平成27年度に以下の年限を超えている自動車」で、「ガソリン自動車又はLPG自動車のうち、バス・トラック等に該当するもの以外の自動車で新車新規登録から13年を経過したものについて、税率を概ね 100 分の 15 重課する」とある。

現在、新車登録から13年以上が経過したクルマ(ガソリン車)の自動車税は10%増しとなっている。これが15%増しとなるわけだ。事前に言われていた20%よりは軽くなったが、それでも"旧車いじめ"に変わりはない。だが政府与党はこれをエコカー減税と合わせて「自動車税のグリーン化」という言葉で表現する。昨日も書いたが、JC08モード燃費8.9km/リッターの「アルファード 350G」は減税し、10・15モード燃費18km/リッターの「カリーナ」に増税することでも、「グリーン化」は進むと考えているようなのだ。

そして「ビート」や「カプチーノ」に今でも大事に乗られている皆さんには大変気の毒なのだが、「最初の新規検査から13年を経過した四輪以上及び三輪の軽自動車に係る税率」は、「平成28年度分以後の軽自動車税について」現行から1.5倍もしくは1.25倍の、さらに20%増しとなり、自家用乗用車なら1万2,900円となる。それでも日本が世界に誇る小さな名車を、どうか守っていただけるようお願い申し上げたい。

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次に自動車重量税。

「新車新規登録から13年を経過した自家用の検査自動車(新車新規登録から18年を経過したものを除く)に係る自動車重量税の税率」は、現行の0.5トンあたり5,000円/年から段階的に増税となり、平成26年4月1日〜平成28年3月31日は5,400円、平成28年4月1日以後は5,700円となる。こちらも昨日お伝えした改正案の1,000円増よりは軽くなったが、例えば1〜1.5トンのクルマなら13年を超えた次の車検から2年分で9,600円も多く納めなければならなくなる(13年以下なら0.5トンあたり4,100円/年だから)。18年を超えたクルマの場合は現在と変わらず、0.5トンあたり6,300円/年だ。

(昨日も例に挙げた)FD型マツダRX-7の最終モデルを所有されている方なら、自動車税が現在の3万9,500円から4万4,500円へ、重量税は平成28年4月1日以後になれば車検時に納める2年分で現在の2万4,600円から3万4,200円へ、増税となる(可能性がある)わけだ。

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一方のエコカー減税については2年延長した上で、「平成27年度 燃費基準値より20%以上燃費性能の良いもの(平成32年度燃費基準を満たすものに限る)並びに電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、一定の排出ガス性能を備えた天然ガス自動車」は、登録翌年度の自動車税が、現行の50%軽減から75%軽減へ引き下げられる。そして対象車の中には「平成21年排出ガス規制に適合したディーゼル自動車(乗用車に限る)」も新たに含まれた。さらに「新規検査後に受ける最初の継続検査の際」に納める重量税も、現行の50%軽減から100%免除となる。

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ちなみに日本自動車工業会の豊田 章男会長によるコメントは次の通り。全文を引用させていただこう。

「この度、与党・税制改正大綱において、車体課税に関して難航していた自動車取得税率の一部引き下げ、エコカー減税の拡充等が決定され、自動車ユーザーの税負担が一定程度軽減されることとなった。関係者のご尽力に感謝したい。 自動車メーカーとしては、今後も魅力ある商品を投入していくことで、国内市場の活性化を図ってまいりたい。

しかしながら、二輪車、及び対象が限定されたとはいえ軽自動車の増税については、残念と言わざるを得ない。

当会としては、今後、消費税10%段階において、自動車取得税の確実な廃止を実現するとともに、今回提示された環境性能課税が、自動車ユーザーの確実な負担軽減に資する制度となるよう、引き続き活動してまいりたい。」

これを読んで、「もう、新車を買ってくれる人のことしか頭にないのでは...」と思うのは、なかなか新車に買い換えることが出来ない者のひがみだろうか。自工会の「事業内容」には「自動車産業における知的財産の保護に関すること」という項目こそあるが、なるほど「文化」「歴史」「遺産」という言葉は一切ない。

Autoblogでは一般的な自家用車ユーザーを対象とする主なものについてのみ触れてきた。より詳しく平成26年度税制改正大綱について知りたい方は、自民党のサイトからダウンロードできるので、是非ご覧いただきたい。