この1年は、現在の地球に関する終わりなき情報に圧倒される年だった。気候に対する説明責任に関する訴訟や、マイクロプラスチック汚染...。昨日起こったことさえ忘れやすいのに、半年前に起こったことを覚えている訳がない。
2019年も終わりに近づき、現在の状況を振り返る時だ。生物多様性の減少から廃棄プラスチックまで、多くのレポートが現在の地球の危険度を強調している。同時に、世界中で悪化する洪水や山火事は、私たちに温暖化が進む地球がどうなるかを表している。
破壊は目の前で起こっており、目を反らすことは不可能だ。2019年は、これから社会が本気で温暖化や生物多様性の現象への対策に取り組むならば、大きなチャレンジが待っていることを知らしめた。
しかし、全く進展がなかった訳ではない。再生エネルギーの割合は増え、石炭火力は減った(世界的に)。そして、低炭素にまつわる業界である電気自動車や省エネに関する企業での雇用は増加した。
現在の地球の状況を示す、この1年における重要な統計をここに集めた。
影響
99%:2019年が過去最も暑かった年の上位5位に入る可能性。NOAAのデータによると、人間史上で2番目か3番目に暑い年となるという。
華氏1.71度(摂氏0.95度):20世紀の7月の月間平均気温と比較して2019年の7月がどれだけ暖かかったか。人間史上最も暑い7月となった。
125億トン:8月のある1日でグリーンランドで溶けた氷床の量。アメリカのフロリダ州全体を約13センチの水で覆うだけの量である。
5島:ロシアの北極圏の氷河が溶けて新たに発見された島の数。
10万5144ヘクタール:2019年にカリフォルニアの山火事により焼けた土地の広さ。
1万平方キロメートル:2019年1月〜8月にブラジルのアマゾン熱帯雨林の森林破壊によって一掃された土地の広さ。
1000人:4月にサイクロン・イダイによる破壊的な洪水によってモザンビークで亡くなった人の最低予想人数。過去20年間で同地域を襲った最悪の災害となった。
99.8%:アメリカにいる絶滅危惧種の中で、地球温暖化に適応するのが難しいとされる種類の確率。
経済
10件:1月から9月までにアメリカで10億ドル以上の被害を与えた気候災害の数。
1.3兆ドル:アメリカのグリーン・エコノミー(環境に良い影響を与える経済)の価値。University College Londonによって10月に発表された分析によると、アメリカの約4%の労働人口の約4%が、電気自動車、省エネ、グリーン金融など、低炭素に関わる業界で働いている。
消費
310万台:世界で売られた車の減少数。2008年の不景気以降、最も大幅な減少だった。アメリカでは2%の減少が見られた。
42%:世界で販売された乗用車のうち、多くの排気ガスを出すSUVが占める割合。
7%:予想される2020年のビジネス・ジェットの販売の増加の割合。
116億:1つのプラスチック製ティーバッグが沸騰温度前後のお湯に煎じられたときに排出するマイクロプラスチックの数。
7カ月:世界が「アース・オーバーシュート・デー」に達するまでに要した期間。「アース・オーバーシュート・デー」とは、人類の消費が、地球が天然資源を補給するスピードを追い越してしまう時のこと。2019年はこの時点に達するのが過去最も早い年となった。
エネルギー
1100万人:2018年(最新データ)に世界の再生可能エネルギーの業界(生産、貿易から搬入まで)で働いた人の数。
50%:今後5年で予測される再生可能エネルギーの増加率
アクション
600万人:世界の150カ国、4500カ所で9月の気候ストライキに参加した人の数。
164人:活動が原因で殺された環境活動家の数。(7月に発表されたレポートに基づく)
1万1000人:11月に気候危機を宣言した153カ国の科学者の数。「アクションを取らなければ人間への甚大な被害は避けられない」と警告した。
28カ国: 政府や企業に対し、気候への行動を問う訴訟が現在行われている国の数。アメリカが最高で1023件。
50%:安定した気候を保つために今後10年に世界中で削減するべき炭素排出の割合。国連の環境プログラムのエグゼクティブ・ディレクター、Inger Anersen氏は、更なるアクションが必要だと言う。「みんなが早く、一生懸命気候変動への対策に取り組むことができなかったことで、更に炭素排出量を削減する必要がある。今後10年平等に分けるとしたら、毎年7%以上の削減が必要です。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。