「マカン」という名前はインドネシア語で「虎」を意味するという。フロントに搭載されるエンジンは全部で3種類。エントリー・グレードとなる「マカンS」には、最高出力340ps・最大トルク46.9kgを発生する新開発の3.0リッターV型6気筒ツインターボが搭載され、0-100km/h加速5.4秒、最高速度は254km/hと発表されている。そのエンジンのストロークを延ばし排気量3.6リッターに拡大したV型6気筒ツインターボが上級グレード「マカン ターボ」に積まれる。こちらは最高出力400ps・最大トルク56.1kgmを発揮し、0-100km/h加速は4.8秒とスポーツカー並み(「スポーツクロノパッケージを装着すればさらに0.2秒速くなる)。最高速度は266km/hに達するという。そして「真の長距離スポーツカーとして優れたパフォーマンスと最小限の燃料消費量を両立」させたという「マカンSディーゼル」には「カイエン」のものをベースに改良を加えたという3.0リッターV型6気筒ディーゼル・エンジンを搭載。最高出力も258psと十分な気はするが、最大トルクが流石に強力で59.1kgmにもなる。0-100km/h加速6.3秒、最高速度は230kmとやや控え目ながら、複合モード燃費は16km/リッター前後を記録するそうだ。
全モデルが7速デュアル・クラッチ式トランスミッションと電子制御式のマルチプレートクラッチによるアクティブ4WDを搭載。センター・コンソールに備わるスイッチで「オフロード」モードに切り替えると、シフト・タイミングや前後トルク配分、エンジンのレスポンスがトラクション重視のオフロード走行に適した状態になるという。また「スポーツ」モードを選択した場合は、逆にエンジンのレスポンスが高まり、シフトポイントはより高回転まで引き上げられる。オプションの「スポーツクロノパッケージ」を装着すれば加速性能が向上するだけでなく、「ローンチコントロール」機能も使える。マカンも"SUV"である前に、"ポルシェ"なのだ。
コンパクトといっても、全長4,681mm(マカン ターボは4,699mm)× 全幅1,923mm × 全高1,621というサイズは、カイエンより64mm短くて、17mm幅狭いだけ。ルーフは89mm低いため、見た目はカイエンよりスポーティ。ホイールベースは88mm短く、2,807mmとなっている。東京でアンベールされた「マカン ターボ」はダークなボディ・カラーのためか、数値から想像するよりも小さく見えた。そして後部座席の足元はあまり広いとは言えない。
ボディのリア・エンドに向かって傾斜するラインは「フライライン」と呼ばれ、「911と明らかな共通点が見られる」とポルシェは言う。ヘッドライトの基本形状は「918スパイダーをベースにしている」とも言うけれど、全体的な印象はやっぱり、"低くて少しだけ小さなカイエン"。でも、そういうモノが欲しいと思う人が大勢いることは想像に難くない。価格はまだ未発表だがカイエンより安くなることは間違いなく、日本でも高い人気を博しそうだ。
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(こちらは2013年11月20日のAutoblogの記事「【東京モーターショー2013】ポルシェ、コンパクトSUV「マカン」をアジア初公開!」を転載したものです)
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