(LUCY NICHOLSON / REUTERS)
リオデジャネイロ・オリンピックの男子マラソンで、銀メダルを獲得したフェイサ・リレサ(エチオピア)の「抗議のバツ印」が、世界中で話題になった。自らの部族であるオロモ族を弾圧している母国エチオピアの政府に対する、命がけの抗議だった。
リレサはゴール後、「私はエチオピアに戻れば殺されるだろう。殺されなくても逮捕される。まだどうするか決めていないが、恐らく他の国に行くつもりだ」と話していた。
そのリレサと彼の家族をサポートするために、8月21日に立ち上げられたクラウド・ファンディングサイトに、当初の目標額を10倍を上回る、11万3000ドル(約1130万円)が集まった(8月24日時点)。
エチオピア政府のオロモ族弾圧に抗議して、バツ印を作りながらゴールするリレサ
エチオピア政府の高官はCNNに、「帰国すれば、国の英雄として彼を迎える」と話しているが、エチオピアでは、政府に抗議するデモに参加していたオロモ族が殺害されており、身の安全は保証できない。
他国に亡命する意志を示していたリレサのために、彼のサポーターたちはが法定代理人を雇い、アメリカ合衆国への亡命申請を計画をしている、とBBCが伝えている。
リレサのバツ印は、エチオピア国内で、政府に抗議するためののシンボルとして広く使われている。
エチオピア政府に抗議する、マルタに移住したオロモ族の人々(2015年12月21日撮影)
エチオピアでは、政府に土地を奪われることを懸念したオロモ族の人たちが、2015年から抗議活動を行っている。
人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、政府はデモ参加者を暴力的な方法で弾圧していて、2015年11月から500人以上が治安部隊に殺されている。治安部隊が武装していないデモをする群衆に向かって無差別に発砲したという報告もある。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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