アメリカやその連合国が数週間にわたってイスラム過激派組織「イスラム国」へ介入を行なった結果、イラク軍とクルド人民兵組織は、イラク最大規模のモスルダムといった要所の奪還に成功したと伝えられたが、イスラム国の恐怖支配はまだまだ終わりそうにない。
ハフポストUS版は先日、イスラム国が巨額の資産をもち、広大な面積を支配に収めてきたことなどの「驚愕のデータ」10件をリストアップ(日本語版記事)したが、以下では、追加してさらに10件のデータをまとめてみた。
20人
シリアで行方不明になっている地元ならびに海外のジャーナリストの数。これは、世界各国の言論弾圧を監視する目的で創設・運営されている非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」が発表した数字であり、イスラム国に身柄を拘束されているジャーナリストが含まれている可能性も高いと見られている。
イスラム国は8月19日、2012年末にシリアで誘拐されていたアメリカ人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏を処刑する動画を公開した。その兵士は動画の中で、アメリカ人のジャーナリスト、スティーヴン・ソトロフ氏の身柄も拘束していると述べ、アメリカが空爆を止めない限り、同氏も処刑すると脅している。
最大500人
シリアとイラクでイスラム国に参加して闘うイギリス出身者の数。これは専門家の推測による数字だ。動画でジェームズ・フォーリー氏の首を切り落とした男はロンドン出身ではないかと推測されている(日本語版記事)。
1万2000人
イスラム国に加わった外国人の総数。これは、ニューヨークの情報コンサルタント会社Soufan Group(ソウファン・グループ)が発表した数字だ。それら兵士のうち3000名は、西洋諸国出身だという。各国政府は、その多くがいずれ出身国に帰国するのではないかと危惧している。
イスラム国の指導者アブバクル・バグダディ容疑者が、支配下に置くイラク北部の都市モスルのモスクで、イスラムの祝日である金曜日の礼拝で祈りを捧げる様子
700人
イスラム国が、8月前半の14日間で殺害したとされる部族民の人数。この数字はNGO「シリア人権監視団」が発表した数字だ。殺害されたのは、イスラム国が襲撃を行なっているシリア西部の部族民だという。殺害された大部分は民間人で、その多くが首を切り落とされたのではないかと同団体は述べている。
120万
イラク国内でのイスラム国の暴虐ぶりにより、今年に入ってから住む場所を追われた人の総数。これは国連による推測数だ。
50万人
イラク国内におけるイスラム国の暴虐ぶりにより、同国北部で住む場所を追われたイラク人の推定数。これは国連難民高等弁務官事務所が発表した数字だ。多くの人は現在、道端や公園、何もない建物で暮らしている。
イスラム国兵士らによる襲撃から逃れるために、イラク北部のシンジャール山および都市ザーホーから避難してきた数千名にのぼるヤジド派の人々
最低でも1万1000人
「ヤジド派の人々がシリア経由で逃げようとしているという事態が、状況が非常に深刻であることを伝えている」と、国連難民高等弁務官事務所の広報担当管は述べている。
100トン
国連が8月20日、イラク北部のクルド人に対して送った緊急援助物資の量。国連によると、これらの物資には、テントが3300張り、プラスチックのシート2万枚、台所用品が1万8500セット、燃料や飲料を保存する容器1万6500個が含まれている。国連は9月初めまでに同地域に2410トン分の救援物資を送る予定で、今回はその一環だ。国連の話では、これだけの規模の支援を一度に行うのは、これまで10年以上なかったという。
84回
アメリカがここ数週間でイスラム国に対して行った攻撃の数。APの記事によれば、もっとも最近の攻撃はモスルダム地区が標的だった。同ダムは8月7日にイスラム国に接収されていたが、現在はクルド人自治区の民兵組織ペシュメルガの管理下に戻っている。
300未満
アメリカがイラクに派遣を予定している追加部隊数。これはある米高官の話した数字だ。APは、追加部隊はバグダッド周辺の治安維持活動に重点的に取り組む予定だという米軍幹部の話を伝えている。
[Eline Gordts & Carina Kolodny(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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