中国系企業のマイディアグループが東芝の家電部門を買収したー。日本のお家芸とも言われた家電メーカーの中国系資本への転換は、製造業界に衝撃を与えた。急速な経済成長とともに、グローバル進出を進める中国は、製造業界にとってもはや無視できない存在だ。
経済成長が著しい中国。2011年にGDPで日本を抜き、アメリカに次ぐ世界第二位の市場に。国内にとどまらず、中国企業はグローバル市場開拓を加速させている。
とくに世界で存在感を増しているのが製造業界における中国企業だ。たとえば、スマホの世界シェアTOP5は3社が中国企業。パソコンにおいても、中国企業「レノボ」がアメリカの「ヒューレット・パッカード 」と世界シェアTOP争いを繰り広げる。
さらに、日本や欧米企業が強みを持ってきた家電、自動車などの領域でも競争力を高める。
家電でいえば、冷蔵庫、洗濯機など大物白物家電の領域で、中国大手家電「ハイアール」が2017年に世界シェア1位を獲得。自動車においても2016年に北京汽車が南アフリカに自動車製造工場の建設を開始した。投資額は8億ドルと自動車メーカーによる海外投資として最大規模。中国政府は2020年までに中国ブランド車の自動車先進国への輸出を掲げる。中国車の本格的な世界進出が近づいているといえそうだ。
もちろん、中国企業による日本への進出も活発だ。たとえば、スマホ世界シェア3位「ファーウェイ」」はauでの取り扱いが始まるなど、日本市場開拓を進める。世界4位の「OPPO」も2018年2月に本格的な市場参入を果たした。
さらに、中国家電大手「美的集団」による東芝家電事業の買収や、電子機器EMS大手「鴻海」によるSHARPの買収。立て続けに、日本の大手メーカーが中国・台湾系資本となった。
こうした中、製造業界における、中国企業の求人募集も活発に行なわれている。職種としても、営業職、メカ系エンジニア、マーケター、広報、デザイナーなどさまざま。たとえば、2018年4月には以下のような企業が求人募集を行なっていた。
・世界4位のシェアを誇るスマホメーカー
・中国の5大自動車メーカー
・世界70ヵ国以上に展開する医療機器メーカー
・700億を超える売上高を誇る、急成長化粧品メーカー
・日本・中国を中心に展開するゲームメーカー
中国はいわゆる成果主義の企業が多い。その他、言語スキルとして、入社時に中国語や英語レベルを特段求められないケースも。世界中の企業が注目する中国という市場。今後、中国企業の経営スタイルやビジネス慣習に明るい人材は重要な存在となっていくことも予想できる。
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