「ゆったり、気ままに。時にはちゃめちゃ。でも落ち込まない、大笑い」
僕が「フィジー人」を表す言葉を捜して、頭に浮かんできたフレーズです。
世界一幸せな国に選ばれたフィジーで出会う、日常の一コマ一コマには、幸福度の向上に繋がるヒントが隠されているのではないか......。
そう思い、フィジーならではの日常の場面を切り取って、幸せへのヒントを数回に分けてご紹介していきます。
▶散歩中に出会った兄妹
フィジーあるある その1:会う人みんなと話が弾む
日本の都会に暮らしていると、前から歩いて来る知らない人と、目が合うこともなくすれ違ってしまうことは多いのではないでしょうか。
実はフィジーでも、僕が住む都市部では開発・近代化が進んでいる影響か、先進国特有の「よそよそしさ」が徐々に出てきているように感じます。
それでも、アパートのオーナーは僕が家を出入りする度におせっかいを焼いてくれるし、会う度に雑談するおばちゃんもたくさんいます。
▶笑顔が素敵なフィジアンのおばちゃん
「ちょっと待て!」と呼び止められて
ある日、友人との約束に間に合うギリギリのタイミングで家を出ようとしたその時、うちのオーナー夫妻が「ちょっと待て!」と声をかけてきました。
もう約束の10分前に迫っていたので、「ごめん、急いでるんやわ!」と叫ぶも、オーナー夫妻は気にせず「いいからこっちへ来い!」と呼ぶので渋々向かいました。
すると、ちょうど敷地のすぐ外に生えている木から、ココナッツを大量に採ってきたとのこと。
それをナタで何度も打って、ココナッツを飲める状態にして渡してくれました。
「それを飲め、そしたら実が食べられるように半分にしてやるから」と言われたのですが、「時間に遅れているから歩きながら飲むわ、ありがとう!」と言って家を出ました。
しかしその後も、通りすがりの人に二度呼び止められて、結局待ち合わせの時間には遅刻......。
ですが、そのぶん新鮮なココナッツジュースが飲めて、人との関わりが増えてハッピーな気持ちになり、「ごめん、家を出てから三度も呼び止められて......」と、手に持ったままのココナッツも合わせて友人との話のネタがたくさんできました。
▶アパートのオーナーと
離島にて、圧倒的な人々の温かさに触れる
都市部から一歩出るとそこには昔ながらのフィジーの空気が漂い、田舎の無人駅に下車した時のような、なんだかホッとする感覚が湧いてきます。
フィジーのリゾート化されていないタベウニ島という離島に行った時のこと。
ナスを買おうとお店に立ち寄り「こんなに食べられないから1本50セントで売って!」と言うと、「いいよ、もって行き」と言われ、次のお店で「トマトちょうだい!」と言うと、「今、家族で食べてるから」とスイカをひと切れ(でかい)をくれました。
3日間の滞在のあいだ、道で出会った人々の中で、立ち話をしなかった人はほとんどいませんでした。
日本よりも人がフレンドリーに感じる国はたくさんありますが、すれ違う人たち全員との話が弾むというのは、なかなかないのではないでしょうか。
特にフィジーのリゾート化されていない離島では、圧倒的な人の温かさに多くの場所で触れられます。
▶タベウニ島にて
フィジーで暮らしていると、こんなやりとりがある度に「まだまだ自分は肩の力が、入ってるんやな」と気づき、ほっこりします。
機会があれば、リゾートだけではないフィジーの魅力も、ぜひ体感しに来てください。
フィジーは330以上も島があるので、あなただけのお気に入りの温かい場所が見つかるかもしれません。
次回は、ここでは書ききれなかった「フィジーあるある その2」をお届けします!
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ライター
くぼけん/Kuboken
1988年、兵庫県生まれ。奄美と種子島の血を引いており、濃い顔立ちのせいか「見たことあります」とよく言われる。学生時代に留学団体での学生代表、世界青年の船事業への参加&スタッフ乗船、豪州・南米留学などを経験。メーカーでの営業を経て、フィジーの学校のマネージャーの在り方に感銘を受け「この人と働きたい!」と現職に。100名の留学生と日々向き合いながら、フィジー人たちの在り方に「まだまだ肩の力入ってるんやなあ」と気づかされながら、フィジー生活を継続中。
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