中東のイエメンに渡航しようとしたジャーナリストの常岡浩介さんに対する政府の出国禁止措置について、常岡さんと親交があるジャーナリストの安田純平さんがTwitterで2月5日に言及した。
シリアで拘束中に見たというSF映画「猿の惑星」のストーリーを引き合いに出した上で、今回の政府の措置を「出国させたくない人間を自由に出国禁止にできるという話」と批判している。
■イエメンでの取材を予定していた常岡浩介さん
イエメンでは政府軍と反政府武装勢力による内戦が続き、外務省は渡航をやめるように退避勧告を出している。
朝日新聞デジタルによると、常岡さんは羽田空港からカタール、スーダン経由でイエメン入りし、飢餓問題を取材する予定だったが、2月2日午後の出国審査で「旅券の返納命令が出ている」と告げられた。
旅券返納命令書ではオマーンへの入国禁止が理由となっていたが、常岡さんは今回、オマーンを経由しない予定になっていた。
■安田純平さんの主張とは?
シリアで3年以上に渡って武装勢力に拘束された経験のある安田さんは2月4日、公式Twitterを更新した。
常岡さんへの出国禁止措置を批判する声をリツイートした上で、シリアでの取材を計画し、外務省から旅券返納命令を受けたフリーカメラマンの杉本祐一さんが最高裁で2018年3月に敗訴したことに言及。自身がシリアで拘束中に見たという「猿の惑星」のストーリーを引き合いに出して次のように述べた。
「拘束中に久しぶりに見た「猿の惑星」という映画は、長年の宇宙の旅から地球に戻ったら核戦争で自滅した人間に代わって猿が支配する惑星になっていたという話だったなあ」
その上で、出国禁止措置はジャーナリスト以外にも起こりうるとして、以下のように警告した。
「出国させたくない人間を自由に出国禁止にできるという話なので、記者以外にも今後好きなようにやるようになる。自分は記者じゃないしとか自分は関係ないとか思っているとそのうち後悔することになる」