麻生太郎副総理兼財務相が、福岡県内で2月3日に行われた集会で、少子高齢化などによる社会保障費の増加について「子どもを産まない方が問題」と発言した。西日本新聞などが報じた。
麻生氏の後援会の集会で、中長期的な課題として少子高齢化問題を取り上げた中での発言という。
「今は、間違いなく高齢者の比率が高くなっている。平均寿命が延びている。素晴らしいことだ」としたうえで、高齢者を支える若者世代が減っている現状について、「(年を)取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違っている。子どもを産まなかった方が問題なんだ」と語ったという。65歳以上への継続雇用の引き上げや、幼児教育無償化などの必要性を訴えた。
少子高齢化問題について、麻生氏の失言は過去にも・・・
麻生氏は、2014年12月にも同様の失言が批判を浴びている。
衆議院選挙の応援演説で、「高齢者が悪いというイメージをつくっている人が多いが、(女性が)子どもを産まないのが問題だ」と述べ、批判を浴びた。この時は、「誤解を招いた」と釈明した。
一方、平均寿命の伸びを称える今回の発言とは真逆の趣旨の失言が問題視されたこともある。
2016年6月には、参議院選の最中、「90歳になって老後が心配とか、わけの分かんないこと言っている人がこないだテレビに出てた。『オイいつまで生きてるつもりだよ』と思いながら見てました」と発言。後に、「侮辱ではない」と釈明していた。
2013年1月には、社会保障国民会議で終末期医療に触れ、「いい加減死にてえなあと思っても、『とにかく生きられますから』なんて生かされたんじゃあ、かなわない。しかも、その金が政府のお金でやってもらっているなんて思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうとか、いろんなことを考えないといけない」と持論を展開。終了後に撤回し、議事録から発言を削除した。
【追記 2019/2/4 17:39】
麻生氏は4日の衆院予算委員会で、発言を撤回した。野党側の質問に対して「全体を聞けば趣旨を理解いただけると思うが、発言の一部だけが報道された。発言は今後気をつけたいし、撤回したい」と述べた。