柔道の松本薫選手が引退決意と報道。「ママでも金」を目指し、2018年1月に復帰していた

ロンドン五輪で金メダル。気迫あふれる試合スタイルが「野獣」と呼ばれていました。
世界柔道女子57キロ級の表彰式で金メダルを掲げる松本薫(ベネシード)=2015年8月26日、カザフスタン・アスタナ
世界柔道女子57キロ級の表彰式で金メダルを掲げる松本薫(ベネシード)=2015年8月26日、カザフスタン・アスタナ
時事通信社

2012年のロンドンオリンピック柔道女子57キロ級の金メダリストの松本薫さん(31)が引退を決意したと、2月2日、報道各社が報じた。近く引退会見を開く予定という。

ロンドンで金、中学で全国制覇しトップを走り続けた

オリンピックを始め、柔道の国際大会で活躍し続けていた松本さん。金沢市出身で、6歳のころから地元の道場で柔道を始めた。

中学3年生だった2002年に、全国中学校柔道大会で初の全国制覇。高校2年生でもインターハイを制し、2005年のドイツジュニア国際柔道大会で優勝するなど、ジュニアの世界大会でも活躍した。

たびたび骨折や脱臼にみまわれることもあったが、2009年から本格的にワールドツアーに参戦。翌年の2010年からは、国際柔道連盟世界ランキングで3年連続1位を獲得した。

たぐいまれな試合勘と身体能力、攻め抜く積極的な攻撃スタイルで女子57キロ級では向かうところ敵なしだった。獲物を狙うような鋭い眼光と、畳の上の気迫あふれる試合スタイルから「野獣」の異名で親しまれた。

鋭い視線で決勝戦に臨む柔道女子57キロ級の松本薫(右)=2012年7月30日、イギリス・ロンドン
鋭い視線で決勝戦に臨む柔道女子57キロ級の松本薫(右)=2012年7月30日、イギリス・ロンドン
時事通信社

出産後「ママでも金」で東京五輪を目指していた

2012年には初出場のロンドンオリンピックで、コリナ・カプリイオリウ(ルーマニア)を下し金メダルを獲得。2016年のリオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得した後に結婚し、2017年夏に第1子を出産していた。

2018年1月に復帰すると「ママでも金」を目標に掲げ、2020年の東京オリンピックを目指していた。

だが、2018年11月の講道館杯全日本体重別選手権で、1回戦で一本負けを喫した。2019年世界選手権の第1次選考大会を兼ねる大会でもあり、東京オリンピックの出場が絶望視されていた。

講道館杯の敗戦の後、松本さんは報道陣に対し「決勝まで上がらなかったら今後の道を考えないと思っていた」「選択肢は3つある。2人目(の子供)をつくること、現役を続行すること、引退して次の道に行くこと」と答え、引退の可能性を示唆していた

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