イタリアのファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」がSNSに投稿した広告動画が「人種差別だ」と中国国内で批判された問題で、動画に出演していた中国人モデルの女性が騒動後、初めて口を開いた。
1月21日に中国のSNS「Weibo」に投稿した声明文の中で謝罪し、「モデルとしてのキャリアがほぼ終わってしまうとは予想していなかった」と心境をつづった。
長文の投稿は、動画撮影の様子や当時の心境、騒動後に自身に起きたことなどが書かれている。動画のモデルとして、今回の騒動の一端を担ったことに対して謝罪する一方で、「中国に対する不敬の念もありませんし、母国のことを愛しています」と理解も求めた。
特大サイズピザやパスタをはしで食べたり、大げさに笑ったりする演出に対して「戸惑いを感じ、恥ずかしい思いだった」と振り返った。
騒動の影響で、自身や家族に対して、インターネット上や電話で脅迫・嫌がらせ行為があったとも告白。自身の心境については、次のようにつづっている。
「海外を舞台に働く中国人モデルにとして、トップブランドと仕事ができることは、それがドルチェ&ガッバーナであろうとなかろうと、キャリアにとってプラスなことだと思っていました」
「しかし、ドルチェ&ガッバーナと仕事をすることで、私のモデルとしてのキャリアがほぼ終わってしまうことは、予想していませんでした」
ドルガバ騒動の経緯は?
一連の騒動では、ドルガバ社が2018年11月に投稿した「ピザを箸を食べる動画」(現在は削除済み)などが物議をかもした上、ガッバーナ氏が中国人を侮辱したやりとりとされるスクリーンショットが拡散。批判の声が高まり、上海で予定していたファッションショーのモデルのキャンセルが相次いだ。
騒動を受けてドルガバ社は、Instagramに投稿した声明の中で謝罪し、ショーも中止すると発表。さらに、ガッバーナ氏とドメニコ・ドルチェ氏が謝罪動画を投稿し、「世界中の中国人の方に謝りたい」と謝意を示していた。