歌手のASKAさんは1月16日、自分の乗ったタクシーの車内映像がテレビ局に無断で提供されたとして慰謝料などを求めていた裁判をめぐり、「動画を手渡してしまった時に起こる状況を考えなかったタクシー会社に最も大きな責任がある」とブログでコメントした。
東京地裁がこの日、タクシー会社に220万円の支払いを命じたことを受けてコメントを発表した。
ASKAさんはまた、「タクシー会社だけの責任ではない」とも言及。
報道機関の取材手法に対して「どんな手を使っても、情報を手に入れようとするのが、メディアの習性です」「思うところがありますが、仕方のないことでしょう」とつづった。
■ASKAさんのコメント全文(公式ホームページより)
もう、すでにネットニュースなどで発表されていますので、みなさんはご存知かと思います。
タクシー会社との裁判でした。
2016年11月28日。僕が乗車した時の、車内動画が、世間に流出しました。
今回の判決に対し、それを放送した各局のコメントが揃って公表されています。
判決では、タクシー会社に対し、約220万円の賠償金を僕に支払うよう命じました。
僕の提訴する相手は、タクシー会社となりましたが、タクシー会社だけの責任ではないでしょう。
なぜ、僕が報道機関を訴えなかったのかに関しては、すでに何度も語ってきています。
どんな手を使っても、情報を手に入れようとするのが、メディアの習性です。
その習性に関しては、思うところがありますが、仕方のないことでしょう。
しかし、あの動画を手渡してしまった時に起こる状況を考えなかったタクシー会社に最も大きな責任があると思うのです。
タクシー会社は、今回「プライバシーの侵害」となったその動画をテレビ局に手渡すに当たって、1円も貰ってないんですよね。
それでも、僕は、今回の裁判をやらなくてはならなかったのです。世間、メディアへの投げかけでした。
今回の判決においての僕のコメントは、これだけにさせてください。
ASKA(2019/1/16 23:43)
■ASKAさんを巡る裁判の経過
ASKAさんは、2016年11月に覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された(嫌疑不十分で不起訴処分)。
朝日新聞や共同通信によると、逮捕される直前にASKAさんが乗車していたタクシー会社が、民放各局の求めに応じて車内の映像を提供した。映像は各局で放送され、ASKAさん側はプライバシーの侵害にあたるなどとして損害賠償などを求めていた。
東京地裁は1月16日、「逮捕容疑とは関係なく、公正・公平な報道に資するとはいえない」などとしてタクシー会社側に220万円を支払うよう命じた。