テニス・全豪オープンで1月15日の初戦を圧勝した大坂なおみ選手。同じ日清食品所属の錦織圭選手と人気漫画「新テニスの王子様」とコラボした「カップヌードル」のCM動画が、ネットで話題となっている。
CMはテニプリの世界観に溶け込んだ2人が、グランドスラムを目指して修行する内容で、1月11日にSNSで公開された第一弾「修業編」では、豪華客船でくつろぐ2人やテニプリのキャラクターの前に、三船入道コーチが空から登場。客船が潜水艦に変身し、特訓が始まる。
14日に公開された続編「いざ、グランドスラム編」では、2人がテニプリのキャラクターたちと対決。特訓で身につけたアニメならではの必殺技を習得する。どちらもSNSで公開されているものだが、夢の競演が好評だ。
ただ、このCMの大坂選手の肌の色に対し、「ホワイトウォッシュ(非白人を白人のように描くこと)ではないか」と違和感を指摘する声があがっている。
「肌の色をホワイトニングされてる」
「全然大坂なおみじゃない」
「ちょっと言葉を失う。これではまるで肌の色が黒いと何か問題があるようではないですか」
「ありのままで描けばいいのに」
(Twitterより抜粋)
ハイチ系アメリカ人の父親を持つ大坂選手の肌は美しい褐色だ。だが、たしかにCMの大坂選手の肌の色は他のキャラクターと変わらず、三舟コーチよりも白く見える。
一方、こうした声を過剰反応だとする反論も複数ある。
「錦織圭と並んだ時の印象も実写と比べてさほど違和感がない」
「本人監修してないわけないでしょ」
「特異な美的感覚を持つ和製アニメ絵に「ありのまま」など期待できない」
「あまり黒人の特徴を誇張して描くと差別的だと非難されますからね」
(Twitterより抜粋)
「大坂選手サイドも確認してもらっている」
日清食品ホールディングスに取材すると「アニメの世界観の中で原画をもとに大坂選手サイドにも確認してもらっている」として、ホワイトウォッシュを否定した。
今回、『新テニスの王子様』とコラボレーションするという企画として、アニメの世界観の中で原画をもとに大坂選手サイドにも確認をしていただきながら、アニメ用のキャラクターデザインを行いました。その後も、関係者に随時確認していただきながら、今回のオリジナルアニメの設定として完成したものですので、ご指摘のありましたような意図はございません。
今後は、お寄せいただいたご意見も踏まえて、さらに慎重に企画を検討して参ります。
過去には海外でも
大坂選手がホワイトウォッシュされていると話題になったのは初めてではない。
2018年9月の全米オープンで優勝した際にも、セリーナ・ウィリアムズ選手がラケットを叩きつける後方で「大人しくスリムな金髪の女の子」として描かれていると疑問視された。記事の中で「彼らは大坂なおみ選手をどう扱っていいか分からない」と指摘されている。
ただ、大坂選手はCM「修行編」を公開したカップヌードルの公式Twitterをリツイートしている。これまでも自らのアイデンティティーについて「私は私」と発言しており、あまり気にしてはいないようだ。