2018年12月に東京ビッグサイトで開かれた同人誌即売会「コミックマーケット95」で、サークル参加者のスペースに「中国人・韓国人お断り」という人種差別的な張り紙があったとの目撃情報が寄せられていた問題について、主催者側は対応を訂正した。
主催するコミックマーケット準備会は当初、反省会で「基本的にはサークルの責任」との回答をしていたが、公式サイトに1月14日に掲載されたレポート報告の中では、準備会としては差別を容認していないため、今後は「サークルに貼り紙を取り下げてもらう」などの対応を取るべきとの考えを示した。反省会での回答については「お詫びして訂正」するという。
■経緯
2018年12月31日に、コミックマーケット95に参加したと見られる人が「韓国人中国人お断りとか書いてあった」とTwitterに投稿し、話題を呼んだ。
準備会は会期中、この内容を把握していなかったが、コミックマーケット95終了後の反省会中に情報が寄せられたことで認識したという。この反省会には「一般・サークル参加者も多数参加」していたとしている。
この反省会で準備会は、「日本の法律に反しないのが1つの線引き」で、「基本的にはサークルの責任であり、それで批判をうけるのもサークルであり、サークルと一般参加者間の問題である」という趣旨の回答をしたという。
この対応に、ネット上では「人種差別を容認している」と批判が集まっていた。
■「差別を容認しているわけではない」
その後、1月14日に公開されたアフターレポートで、反省会での回答について言及。「貼り紙の写真などもなく、反省会での発言以外に情報がない状態」だったと説明した。
反省会後も準備会内で議論を重ねたとし、「差別を容認しているわけではない」と述べた。
今回のような貼り紙は「コミケットという『場』には適切ではない」とし、今後は「準備会として事実を認知した際には、サークルに貼り紙を取り下げてもらうなどの対応を取るべきと考えています」と見解を示した。
■コメント全文
準備会がアフターレポートで今回の貼り紙騒動について触れた部分は以下。
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こうして、コミケット95の会期すべてが終わったわけですが、会期終了後の反省会(準備会スタッフ以外に撤収に協力していただいた一般・サークル参加者も多数参加しています)の質疑応答において、サークルスペースにて「中国人・韓国人お断り」を貼っているサークルがあるとの情報が寄せられました。
会期中、準備会はこのような事実は把握しておらず、反省会の質疑で初めて知ったものです。貼り紙の写真などもなく、反省会での発言以外に情報がない状態でしたので、準備会としては「サークルは、自分の頒布物をどう頒布するかを決める。その際、日本の法律に反しないのが1つの線引きである。基本的にはサークルの責任であり、それで批判をうけるのもサークルであり、サークルと一般参加者間の問題である」旨の回答をしました。
これは、サークルと一般参加者間の原則論を述べた上で、貼り紙の内容については当然にサークルが責任を引き受けなくてはならない旨を述べたものです。
その後、内部での議論を重ねた結果、準備会としては、差別を容認しているわけではなく、このような貼り紙はコミケットという「場」には適切ではなく、今後、準備会として事実を認知した際には、サークルに貼り紙を取り下げてもらうなどの対応を取るべきと考えています。お詫びして訂正させていただきます。