米食品医薬品局(FDA)は12月7日、アボカドの皮にリステリア菌やサルモネラ菌などが含まれている場合があるとするレポートを発表した。アメリカ国内生産や他国から輸入したアボカドの皮をサンプル調査したところ、約18%がリステリア菌に対して陽性だった。皮から中身に菌が移行しないように、FDAはアボカドを切る前に、よく洗うようにと勧告している。
FDAは2014年〜2016年までの18カ月間に、米国内産及び、メキシコやペルー、チリなどから輸入した1615個のアボカドのサンプルを調査。この内、12個(0.74%)がサルモネラ菌に陽性だった。
リステリア菌に関しては、1254のアボカドをピューレ状にした「パルプ」と呼ばれるサンプルのうち3個が陽性で1%にも満たなかったが、アボガドの皮を調査したところ、361個のサンプルのうち64個(17.73%)が陽性だった。33個が米国内産で、31個が海外産だったという。
東京都福祉保健局によると、リステリア菌(リステリア・モノサイトゲネス)は、様々な動物や河川水や下水、飼料などの環境のあらゆるところにいるため、様々な食品が汚染される可能性があるとされる。
感染を起こしやすい人は、妊婦(胎児)、新生児、乳幼児、高齢者および基礎疾患を持つ人で、感染すると髄膜炎や敗血症、流産を起こすことがある。
厚生労働省はリステリア菌は冷蔵庫内でも増えるとしており、冷蔵庫を過信せず食べる前によく洗うことや、加熱してから食べることなどが、食中毒を防ぐとしている。
今回FDAから発表されたレポートは、菌の濃度については触れられておらず、また、調査の対象となったのは米国内で入手したアボカドだった。だが、念のために、FDAが食品安全情報サイトの「Foodsafety.gov」を通じて、消費者に呼びかけている勧告の一部の内容について紹介しておこう。
Foodsafety.govは消費者に「食べる、切る、または調理する前に、すべての食材を流水で徹底的に洗うこと」を勧めています。また、Foodsafety.govは消費者が固い食材(アボカドを含む)をきれいな食材ブラシで洗い、次に、存在する可能性がある細菌をさらに減らすために、清潔なふきんやペーパータオルで乾かすことをお勧めします。