大雪の際、自動車のタイヤにチェーンを取り付けることが一部の道路で義務化される見通しとなった。
雪による車の大規模な立ち往生が全国で相次いでいることから、国土交通省が検討を重ねてきた。
国土交通省が12月10日発表した資料によると、義務化される予定の道路は、国道6カ所と、高速道路7カ所の計13カ所。義務区間などは以下の通り。
国道
国道112号(山形県西川町志津~鶴岡市上名川の27キロ)
国道138号(山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口の9キロ)
国道7号(新潟県村上市大須戸~村上市上大鳥の16キロ)
国道8号(福井県あわら市熊坂~あわら市笹岡の4キロ)
国道54号(広島県三次市布野町上布野~島根県飯南町上赤名の12キロ)
国道56号(愛媛県西予市宇和町~大洲市松尾の7キロ)
高速道路
上信越道(長野県・信濃町IC~新潟県・新井PAの25キロ)
中央道(山梨県の須玉IC~長坂ICの9キロ)
中央道(長野県の飯田山本IC~園原ICの10キロ)
北陸道(福井県・丸岡IC~石川県・加賀ICの18キロ)
北陸道(滋賀県・木之本IC~福井県・今庄ICの45キロ)
米子道(岡山県・湯原IC~鳥取県・江府ICの34キロ)
浜田道(広島県・大朝IC~島根県・旭ICの27キロ)
これらの区間でチェーン装着を義務付けるのは、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表などがあった場合に限るとしている。
新ルールの開始時期について、国交省は「改めてお知らせします」としているが、毎日新聞によると、この冬からスタートするという。
きっかけは?
国交省は義務化の対象に選んだ場所について、「勾配の大きい峠部でこれまでに大規模な立ち往生などが発生した区間」としている。
2018年2月には福井県北部の国道8号で大量の雪が積り、約1500台の車が立ち往生するなど、大雪による道路交通のまひが問題となっていた。
国交省はこうした出来事を受け、除雪などとともにチェーン規制の強化について検討してきた。
雪道対策としては、タイヤにチェーンを巻くほかに、スタッドレスタイヤに交換するという方法もある。
スタッドレスタイヤはスリップの原因となる、凍結した路面とタイヤとの間にある水分を取り除いたり、深い溝によって雪面をしっかりとらえたりできる。
ただ、路面がアイスバーンになっていたり、ふかふかな新雪が路面に積もっている場合には、チェーンの方がよりグリップ力が高いとされる。