バイク犯罪の撲滅のためなら、パトカーによる体当たりもいとわないーー。
ロンドン警視庁は11月23日、そんな実力行使の作戦の映像を公開した。
ドライブレコーダーの映像には、バイクで逃走するひったくりの容疑者らに対して、背後などからパトカーが体当たりする様子が映っている。
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バイクは跳ね飛ばされて激しく転倒し、まるでカーアクション映像のようだ。
警視庁によると、この作戦は、特別な訓練を受けたドライバーが実行。体当たりにより、それ以上の追跡の手間を省くほか、運転者が逃走中に死亡・重傷事故を起こしたり、一般の人を巻き込んだりするのを防ぐ目的があるという。
ガーディアンによると、作戦は2017末ごろに導入され、今年は63回実行されたという。
この作戦により、ロンドンでは、ひったくりなどのバイク犯罪の発生件数が減少。2018年(1月〜10月)は1万2419件で、前年同期比で約7000件(36%)減ったほか、原付バイク自体の窃盗被害も前年同期比で32%減となった。
この作戦を防ごうと、逃走中にはあえてヘルメットを外す容疑者もいるという。
おおけがさせる危険性を恐れて、パトカーが体当たりしてこないだろうという考えだが、これに対して警視庁は「(ヘルメットを外すなど)どんな状況であっても、バイク犯罪の容疑者を標的にする」と強い姿勢を打ち出している。
少々やりすぎのようにも見えるこの作戦。Twitter上では「素晴らしい作戦だ」と賛同する意見が多くみられた一方で、「けがさせて、本人が損害賠償でも訴えたらどうなるんだ」といった声もあった。