トランプ大統領が「雨」を理由に、第一次世界大戦の追悼式典への出席をキャンセルし、物議を醸している。ちょうど100年前の11月11日、休戦協定が結ばれ、第一次世界大戦は終わった。この節目を迎えて、各国のリーダーがフランスに集結し、犠牲者たちに追悼の祈りをささげている。トランプ大統領も今週末はパリに滞在中だ。
ロイター通信によると、トランプ大統領は当初、フランスのベローで11月10日に開催された米兵の追悼式典に参加する予定だった。ベローはパリから東に約85キロ離れた場所で、第一次大戦の激戦地だ。墓地には2000人以上の米兵が眠っている。
計画だと、メラニア夫人と一緒に、ヘリコプターで現地を訪問するはずだった。しかし、雨が降っていたためヘリが飛ばず、大統領は現地に出向かなかった。ホワイトハウスは「天候不良による、スケジュールと移動の問題」のためと発表した。
この大統領の行動を批判する声が、SNSなどで数多く上がっている。
ジョージ・W・ブッシュ大統領のスピーチライターだったデイビッド・フラム氏は、例え悪天候でヘリコプターが使えなくなったとしても、車を使うなどいくらでも現地入りする方法があったはずだとツイートした。「代替プランという言葉に尽きます。これまでのホワイトハウスは、代替プランを作っていました」「11月のヨーロッパで雨が降ったり、風が吹いたりする可能性は、十分に予測可能です」
オバマ大統領の副補佐官・スピーチライターだったベン・ローズ氏も「8年間、全てのオバマ大統領の出張計画に関わってきましたが、『雨プラン』は必ずありました。必ずです」と強調した。
11月10日は、各国首脳がフランス各地で休戦100年の記念式典に参加していた。フランスのマクロン大統領は、休戦協定が結ばれたコンピエーニュの森での式典に参加。ドイツのメルケル首相と撮影したツーショット写真に「団結」と言葉を添えて投稿していた。カナダのトルドー首相も、フランスの激戦地ヴィミー・リッジでの追悼式典に参加したと、Twitterで報告している。