無印良品がフィンランドで自動運転バスを初めてデザイン。その狙いとは?

2020年の実用化を目指している
自動運転バスのイメージ図
自動運転バスのイメージ図
良品計画提供

無印良品を経営する「良品計画」(本社・東京)は11月1日、フィンランドの企業が開発している自動運転バスの車体をデザインしたと発表した

同社が車のデザインを手がけたのは初めて。

このバスを開発しているのは車の自動運転技術を研究・開発している「Sensible 4」(本社・フィンランド南部エスポー)。

「Gacha(ガチャ)シャトルバス」との名前で2020年、公共の交通機関として実用化を目指している。

それに先立ち、2019年に試作品が一般公開され、公道での試験走行に入るという。

雑貨や衣料品などの販売で知られる良品計画が車のデザインに乗り出したのには「伏線」があった。

同社は最近、里山の保全など公共性を意識した活動にも取り組んできた。

その中で、自動運転車が普及すれば、少子高齢化で車を運転できる人たちが減る地方で、交通利便性が高まると考察。関心を深めてきた。

同社は2017年、フィンランドであった家具とデザインの見本市で、公共交通機関で使われる理想の自動運転車のアイデアを発表。

この報告を聞いたSensible 4関係者が興味を示し、良品計画側にデザインを発注したという。

フィンランドも高齢化が悩み

フィンランドで自動運転車の導入が期待されている背景には、地方での高齢化が進んでいる実態がある。

世界銀行の調べによると、フィンランドの人口に占める65歳以上の割合は約20%(2017年)。

若い世代が都市部に集まり、地方では高齢者の割合が増えているとみられる。

開発が進む自動運転バスは北国の厳しい天候でも走行できるよう研究されており、地方在住のお年寄りの「足」として期待されている。

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