11月12日から始まる女性に対する暴力をなくす運動週間に合わせ、11月4日、セクシャル・コンセント（性的同意）について語り合うイベントが、さいたま市で開かれる。
イベントでは、性的同意とは何か、大学生向けに解説冊子を作った「ちゃぶ台返し女子アクション」のメンバーらが、冊子に込めた思いを語る。
また、産婦人科医の高橋幸子さんによる県内の性教育の状況説明や、中学生向けに性的同意を説明した電子紙芝居が紹介される。
自分には関係ない話、ではない。加害者にも被害者にもなりえる
相手が嫌がっていたのに「悪ノリで抱きついただけ」「友達だから」「恋人だから」と、性的な暴力に合うケースが後を絶たない。
2018年9月、ミスター東大コンテストに出場した男（24）が、強制性交などの容疑で逮捕された。同様に慶應大学でも10月、ミスターコンテストに出場した男（22）が、酩酊した別の大学の女子学生に性的暴行を加えたとして逮捕された。
これまでにも、2016年におきた大学生による集団での強制わいせつ事件など、性暴力は深刻な社会問題として捉えられている。
でも、それを「自分には関係ない話」と思う人も、ちょっと立ち止まって考えてほしい。性的同意について、ちゃんと理解していなければ、自分もパートナーに性暴力をふるっている加害者になっているかもしれない。
性的同意ってなに？
相手が望まないセックスは性暴力であり、「イヤよイヤよも好きのうち」なんて論理は存在しない。相手に触れるとき、相手はどう思っているか考え、相手の気持ちを確認する。そして相手の意志を尊重する。
こうした「セクシュアル・コンセント（性的同意）」の大切さを広めることで、性によって傷つくことのない社会をつくりたいという願いから、大学生が中心になって作った冊子が「あなたらしく大学生活を送るための方法」だ。
「ちゃぶ台返し女子アクション」の共同代表の大澤祥子さんはこの冊子を作るにあたり、ハフポスト日本版の取材に対し「『同意がない性的言動は性暴力である』という認識があまりにもないから、セクハラや痴漢などの性暴力が日常化されてしまうのです」と語っていた。
性暴力には「女性も悪い」という暴論が付いて回る
性暴力について語られるとき、必ずついて回るのは次のような無知による暴言だ。
「女性だって家についていったんだから責任がある」
「抵抗しなかったのが悪い」
「イヤだと明言しなかったんじゃないか」
こうした周囲の心ない発言は、セカンドレイプとなる。
大澤さんはこのような発言について「何が同意であり何が同意ではないかという正しい理解があれば、そのようなことは言いません。逆に、『あなたは悪くない』、『あなたの同意があることをきちんと確認せず、尊重しなかった相手が悪い』と言えると思います」と説明。
冊子は、次のような項目を通して、大学生に性におけるコミュニケーションについて知ってもらう目的で作られた。
・セクシュアル・コンセントとは何？ なぜ大切なの？
・性暴力とは？なぜ一人一人がこの問題に向き合う必要があるの？
・性暴力神話（性暴力に関して広く信じられている嘘）がどのように間違っているのか
・性的バウンダリー（境界線）、性的自己決定権の話
・性におけるコミュニケーションのあり方
・被害者、加害者ではないから関係ない？ 第三者にも性被害を止める力がある！
（性被害をなくすために誰もができる実践的な取り組み、「第三者介入」の紹介）
4月から配布を始めた冊子は2万部を発行。11月4日のイベントでは、この冊子を作った背景であるキャンパス内での性暴力が起きやすい構造などについて語る。
イベント詳細
講演会は、10月20日に事前の参加申し込みは終了しているが、当日の参加もOK。
詳細について問い合わせたい方は、下記の事務局へ。
性のこと互いの同意大切に
日時：11月4日（日） 午後1時半～午後4時半
場所：さいたま共済会館 （さいたま市浦和区岸町7-5-14） JR「浦和」駅西口より徒歩10分
参加費：1000円（彩の国思春期研究会の会員：500円）
問い合わせ先：彩の国思春期研究会北部支部事務局 sainokuni.shisyunki@gmail.com