Googleがセクハラ問題で退社した幹部に多額の退職金を支払っていたとの報道を受け、1000人以上の従業員が11月1日、世界各地で抗議のストライキを実施した。ストはカリフォルニアのほか、ニューヨーク、ロンドン、東京などで実施され、社員が数時間、職場を離れた。ハフポストUS版などが報じた。
■発端は幹部のセクハラ報道
発端となったのは、Google幹部によるセクハラ問題だ。
ニューヨーク・タイムズ紙は10月25日、スマホOS「アンドロイド」の生みの親として知られるアンディ・ルービン氏のセクハラと退職金について報じた。記事によると、ルービン氏と関係のあった女性が2013年、ルービン氏からホテルの部屋でオーラルセックスを強要されたという。
この問題によって、ルービン氏は2014年にGoogleを退社。その際にGoogleは、ルービン氏の退任はセクハラが理由だったと公表せず、さらにルービン氏に9000万ドル(約101億円)の退職金を支払ったと報じられた。後にルービン氏はこの報道を否定している。
NYTの記事では、研究部門「X」の責任者リッチ・ドバウル氏のセクハラについても触れていた。ドバウル氏は2013年、就職面接に訪れたエンジニアの女性をイベントに誘い、性的サービスを暗に要求したという(ドバウル氏は10月30日、Googleを退社した)。
■世界の従業員が参加するストに発展
これらの報道を受け、10月25日、Googleでは社内説明会が開かれた。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は社員へのメールで「権力のある立場にいる人物の不適切な行動に対し、ますます厳しい対処を行っている」と説明。過去2年にセクハラで解雇した48人には退職金は払っていない、とした。
しかし、この週の週末には、女性社員が社内掲示板で抗議行動を呼びかけた。投稿には、29日までに数百のレスが付き、大規模な社員ストに発展した。
ストは、11月1日の現地時間午前11時10分にアジアから始まり、シンガポール、チューリッヒ、ロンドン、ダブリン、NY、サンフランシスコなど、世界に広がった。
ストライキの様子は、#GoogleWalkoutというタグを使って、Twitterなどに多数投稿されている。なかには、スマホを利用した音声検索を開始する時のかけ声「オッケー・グーグル」をもじり、「ノット・オッケー・グーグル」と書かれたプラカードを掲げる社員もいた。
■シンガポール
■ダブリン(アイルランド)
■チューリッヒ(ドイツ)
■ロンドン
■NY
■カリフォルニア本社
サンフランシスコ