550万ダウンロードの国内最大級タクシー配車アプリ「Japan Taxi」で、ユーザーの明確な同意がないまま、広告利用目的で位置情報などを含むデータが取られていたことが分かった。アプリ提携先の広告会社「フリークアウト」が10月30日に発表した。
配車目的で同意⇒広告目的に使われていた
Japan Taxiのアプリを開くと、利用規約の同意画面が開き、その後、「お客様の現在地からスムーズにタクシーを配車するために必要です」として、現在地の取得許可を促す画面が出てくる。
続行を押し、許可を出すボタンを押しても、「広告利用」などの目的が書かれた文面が、画面に出てくることはない。
Japan Taxiアプリの利用規約(9月12日改定分)には、位置情報を含む個人情報を広告目的で利用するとは明記されていなかった。
また、同社のプライバシーポリシーには、ウェブページなどでブラウザに情報を保存するための仕組みであるクッキー情報を広告配信などに利用することがあるとの内容が記載されていたが、同社は「十分ではなかった」としている。
2016年から位置情報を取得
今回問題となったデータは、広告会社「フリークアウト」が、2016年からJapan Taxiと提携した位置情報連動マーケティング事業に利用されていた。
フリークアウトはJapan Taxiアプリのユーザーから取得した位置情報を把握し、特定の場所にいるターゲット層に絞って広告を出していた。
広告主事例としては、化粧品メーカーの場合として「店舗のある百貨店周辺のアプリユーザーの中から、ターゲット層の20-30代の女性に対して、WEB・SNSアプリなどでタクシークーポン付き広告を配信」などと例示していた。
また、2016年のプレスリリース時点では、こうした位置情報を含む個人情報の取得について「フリークアウトによる位置情報データの取得については事前同意(オプトイン)を必須」と記載し、「JapanTaxi提供アプリの利用規約に承諾いただいた上で位置情報の取得に承諾いただいたユーザーからのみ位置情報データを取得しています」と説明。
ただ、実際にアプリのオプトイン画面ではそうした周知はされていなかった。
SNSで指摘され、データ全削除
こうした適切でない手順で同意を得た上でデータが取得について、SNS上では10月28日、「(オプトインについて)全く記憶にないぞ」などといった指摘があり、Japan Taxiとフリークアウトが対応を協議した。