経団連の中西宏明会長の業務について書かれた読売新聞の記事が、ネット上で注目を集めている。中西流改革として、2018年5月に会長執務室に初めてパソコンが備えられ、事務局職員にメールで施策を問う姿が紹介されたからだ。
これまでの財界トップがパソコンを導入せず、メールで指示を出していなかったのか?
10月24日、経団連会長の記者会見でも、この話題について質問がでた。広報担当者によると、中西会長は「正直いって、(執務室に)PCが無いのは驚いた」としつつ、歴代会長にも言及し「今までの会長は経団連の仕事には使っていなかっただけでしょう」と語った。
中西会長は日立出身。日立は2007年までパソコンを生産しており、これまで業務でパソコンを使ってこなかったとは考えにくい。
なぜパソコンが導入されなかったのか。経団連は「会長という仕事の特性がある」と説明する。
「経団連会長の仕事は多岐にわたります。きょうのように記者会見も月に2〜3回程度セッティングされ、政府の審議会、最近では民間外交も積極的に行い、この前も中国にいって要職に会ったばかりです。それぞれに担当者がレクチャーをして説明をする。対面で説明を受ける仕事が多いのです」(広報担当者)
さらに常に会長執務室にいるわけではなく、非常駐で各地を飛び回る。これまでも施策については、その都度担当者からレクチャーを受けて、その場で議論することが多かったのだという。
つまり原則は対面の説明、資料は書面、そこに電話でのやりとりが加わるのが基本だったということだ。
パソコン導入、メールで指示が驚かれていることについてどう思うか。広報担当者は「すべてをキャッチアップできているわけではないが、世の中の見方はわかる。そういう反応がでてくるんだなと思う」と話した。