ロシアの大学サッカーのリーグ戦で、後方宙返り(バク宙)しながらペナルティーキック(PK)を決める選手の動画が話題になっている。
10月7日、ロシア・ボルガ川沿いの都市カザンであった国立カザン研究技術大学と国立チュバシ教育大学の一戦。
後半9分、1点リードしていたカザン研究技術大のミッドフィルダー、ノリク・アブダリャン選手が、PKでボールを蹴り上げた勢いでバク宙した。
ボールはゴール隅に吸い込まれ、アブダリャン選手は両手を上げて歓喜。相手チームの選手たちはあっけに取られた様子だ。試合は結局、4対0でカザン研究技術大が勝った。
映画「少林サッカー」のようなこのゴールは、ソーシャルメディアなどで動画が拡散。ロシアのスポーツメディアもこぞって取り上げる事態となった。
地元のスポーツメディア「インカザン・ルー」は、アブダリャン選手が2017年の国際試合でもバク宙PKを決めていると報道。学生リーグがYouTubeに投稿した動画を紹介した。
また、アブダリャン選手が所属しているプロチーム「ルビン」の2軍は、改めて彼のバク宙PK動画をTwitterで公開している。
ロシアのスポーツメディア「スポート24」は、アブダリャン選手のインタビュー記事を掲載。それによると、アブダリャン選手は「監督が『バク宙シュートを実際の試合で見たい』と言ってくれたので、私は『挑戦します』と言いました」と明かした。
アブダリャン選手はバク宙シュートの習得経緯も説明。最初はバク宙だけを独学で練習し、その後ボールを使って励んだ。「けがもなく自然とできるようになった」という。
初めて監督にこのシュートを披露したとき、「監督は何が起きたのか理解できていないようだった。ショックを受けていた」とアブダリャン選手は話した。
このシュートのおかげで、監督はアブダリャン選手を「マエストロ」「プロフェッサー」と呼ぶようになり、ほかのコーチたちも「違う世界のサッカーを見ているようだ」と一目置くことになったという。