アニメフェスの声優握手会、突然中止で騒動 主催の徳島県「見切り発車だった」

主催者も告知に協力していたイベントが突然の中止に。なぜ起きたのか?

アニメ制作会社「ufotable」、徳島県などが中心になって主催するアニメ・ゲームをテーマにした大型フェス「マチ★アソビ」で10月8日、告知されていた声優の握手会が中止になる騒動があった。握手会に参加するためには、発売されたグッズに付いている「握手券」が必要だった。

マチ★アソビ公式ホームページより

主催者側は「告知のツイートはしたが、握手会に自分たちは全く関係していない」と説明。参加者からは「勝手に企画された握手会中止というのはいくらなんでもひどい」などと抗議する声があがった。

「マチ★アソビ」で何が起きたのか?

主催する徳島県によると「マチ★アソビ」は春と秋の年2回、徳島県で開かれる大型フェスで予算の総額は6000万円。このうち3000万円を文化庁の補助金と国からの地方創生関係交付金でまかなっている。

アニメやゲームをテーマにした地方観光イベントの中でも先駆的なもので、ファンからも注目されているという。

騒動は10月8日に起きた。声優の握手券付きグッズが発売されたが、当日になり握手会そのものが中止になることがアナウンスされ、その理由について主催者から「企画自体を知らなかった」などと説明があった。

しかし、ufotableの公式Twitterでは握手会の告知がされていた。ファンから「握手ができると信じて買ったのに、返金について説明がない」などとするツイートが発端となり、主催者への批判が広がった。

「弊社は、全く関係ございません」

事実関係について、ハフポスト日本版が8日午後、徳島県に事実関係、返金の有無を問い合わせたところ「いま初めて知った。すぐに確認して折り返す。30分で確認できると思う」と返答があった。ufotableにも問い合わせたが、不在だった。

徳島県に問い合わせを続けたが「今、担当者に確認をしている。今日中に折り返す」と繰り返すだけで、折り返しはなかった。

9日朝に再び、問い合わせたところ担当課長が「今から折り返すつもりだった。問い合わせで初めて知って、対応を協議していた。それについてはufotableさんがホームページで発表した通り」と回答があった。ホームページにはこうある。

弊社「おへんろ。」担当者に確認をとったところ、グッズの制作の途中で、一度、弊社へ握手会について相談が確かにありましたが、お断りさせて頂いております。

先程、ワーズブレーン様より謝罪があり、話をしたところ、「私が握手会を実施できるものと勝手に進めたことが事の発端であり、最後までなんとかなるものと思って進め、このような騒ぎになってしまいました。握手会をお断りされた後も、最終的には了解を得られるものと思ってしまい、イベント当日を迎えてしまいました」とおっしゃられました。

また握手券はワーズブレーン様がグッズに一枚ずつテープで貼っていったもので、今回許諾した音声券付名刺とは別物であり、弊社は、全く関係ございません。

弊社からのツイートにつきましては、弊社のツイッターの担当者に直接、ワーズブレーン様より連絡が入り、握手会を出来るものとして伝えられてツイートしたというのが経緯となり、握手券が配布されること自体、弊社「おへんろ。」担当者は認識しておりませんでした。

ワーズブレーン様から「一刻も早く、告知を行いたいという気持ちが強かったため」と説明を受けましたが、弊社としましては、この件については、「今後ないようにお願いします」と強くお願いしたところです。

返金にも対応するという。

担当課長は「担当者同士の確認が不十分で見切り発車でイベントの告知があったのは事実。意思疎通を徹底していく。適切な返金対応もする。県が主催し、国からの補助金なども使っている事業である以上、十分な対応と説明をしていきたい」と話した。

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