2017年までの約6年間で、自撮りをしている最中に溺れたり落ちたりして死亡した人の数が、世界で少なくとも259人に上ることが、全インド医科大学などの調査で明らかになった。調査ではこうした事故を「死のセルフィー」(selfie death)と名付け、対策を講じるよう求めている。
調査は、英語の関連用語でグーグル検索し、英語で報じられた自撮り死亡事故のニュースをまとめた。英語以外の言語による報道は除いた。このため、非英語圏での事故は反映されにくい可能性がある。
調査によると、137の事故で259人が死亡。死亡者の平均年齢が約23歳と若く、男性が7割を占めている。
死亡の報告数はインドが最多で、ロシア、アメリカ、パキスタンと続く。
死因に関しては、「溺死」が70人と最も多かった。具体的には海岸で波にのまれたり、ボートをこいでいる最中に転覆したり、泳げないのに岸辺で自撮りしようとしたり、警告を無視したりしている事例が目立った。
次いで多かったのは、「交通機関」での自撮りで亡くなった51人。走っている列車の前で撮っていた際の事故が主に多い。また銃などの火器による死亡事故(48人)はアメリカが多く、事故での死亡率も高い。ほかに、高い建物などからの「落下」も48人いた。
すでに、自撮り死亡事故を防ぐため、自撮り禁止の地域を決めている国や自治体もあるという。研究者たちは「かっこよくなりたいという願望から、若者や観光客がソーシャルメディアに投稿し、いいね!やコメントといった報酬を得ている。自撮り自体が危険なわけではなく、自撮りに伴った人間の行動が危険なのだ」と警鐘を鳴らしている。