世界初の月の周回旅行者になることを9月18日に発表した、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ社長の前澤友作氏。
アメリカ・カリフォルニア州の工場で行われたSpaceX社の発表会では、前澤氏による月旅行の計画だけでなく、そのロケットに同乗して一緒に宇宙の旅に出るアーティストを募る「ディアムーンプロジェクト」も同時に披露された。その内容とは一体どんなものだろうか。
6〜8人のアーティストを同行させる
今回の月旅行では、SpaceX社が開発した完全再利用型次世代ロケットBFRを利用して、丸1日と少しかけて月を周回する予定だ。
スケジュールは、打ち上げから2日目に周回軌道に乗り、3日目に周回軌道を離れる。およそ6日後に地球に帰還するというもの。
前澤氏のプレゼンテーションによると、ディアムーンプロジェクトは2018年にメンバー選考が開始され、メンバー確定、訓練・準備期間を経て2023年に打ち上げが実行される。
その後、同行者は作品を制作し、展覧会での発表が計画されているという。募集する同行者は6〜8人のアーティストになるという。
月への憧れ「想像力が満たされた」と前澤氏
前澤氏は高校卒業後にインディーズバンドとして活動。ドラマーとして演奏する傍ら、ライブ会場での輸入レコードの販売などを手がけることで起業家としての道を歩み始めた。
現在も、美術品の愛好家としても知られている。2018年1月には、123億円でジャンミシェル・バスキアの絵画を落札したことでも話題になった。
「子どもの頃から月が大好きだった。月を見るだけで想像力が満たされた。この機会を逃すことはできないと考えた」と語った前澤氏。次世代のアーティストにとっても、同様に月旅行が大きなインスピレーションを与えることを期待しているのだという。
プロジェクトのウェブサイトには、前澤氏の願いが以下のように書かれている。
パブロ・ピカソが月を間近に見ていたら、どんな絵を描いたんだろう。
ジョン・レノンが地球を丸く見ていたら、どんな曲を書いたんだろう。
彼らが宇宙に行っていたら、今の世界はどうなっていたんだろう。
私たちには、想像力と創造力があります。
まだ一度も見たことのないような夢を見ることができるかもしれない。
歌ったことのないような歌が歌えるかもしれない。
描いたことのないような絵が描けるかもしれない。