フランス・パリの街中で、卑猥な言葉をかけてきた男に言い返した女性が暴行を受ける映像がネット上に拡散して物議を醸したが、男は8月30日までに暴行とセクシュアル・ハラスメントの容疑で身柄を拘束された。CNNなどが報じた。
被害を受けたのはマリー・ラゲールさん、22歳。7月24日夕方、パリ19区のカフェの前を歩いていたラゲールさんは、通りすがりの男から屈辱的な言葉をかけられ、暴行を受けたという。
この一部始終を、カフェの監視カメラが録画していた。ラゲールさんはその映像をYouTubeやFacebookに投稿し、自身が受けた被害内容をつづった。9月1日までにYouTubeの動画は630万回以上再生され、セクハラ被害に対する論議を巻き起こしていた。
ラゲールさんはこう振り返る。
「私はこうした行動を容認しない。黙ることはできないし、黙ってはいけないのだ」
「これだけじゃない。ハラスメントは日常茶飯事だ。路上でのハラスメント行為が許されると思い込み、恥ずべき行為を自ら許し、攻撃せずにはいられない。そんな人間は受け入れられない」
監視カメラの映像には、ラゲールさんが暴行を受けるショッキングな出来事の一部始終が記録されている。
赤い服を着たラゲールさんと男が通りすがった際、男が何かを言い、ラゲールさんが振り向いて何かを言って歩き去った。男はそのまま歩いていった後、突然カフェのテーブルの灰皿をつかみ、ラゲールさんに投げつけた。
さらに、急ぎ足でラゲールさんに追いつき、カフェの客たちが見ている前で顔面を殴りつけた。
席にいた男性たちが一斉に立ち上がり、去ろうとする男性を追いかけて抗議したが、男は何かを言い、去っていった。
監視カメラの動画は、ラゲールさんの「こんな行為はもう終わらせるべきだ」というメッセージとともに、Twitterやメディアを通じて拡散した。
CNNによると、パリの検察当局は8月30日までに、ラゲールさんを暴行した容疑者を逮捕し、拘束した。
また、この事件から1週間後、フランス国会は路上でのセクハラ発言を禁じる新法を可決した。公の場での嫌がらせ行為に対しては、90〜750ユーロ(約1万1790〜約9万8250円)の罰金も想定しているという。