子育て中の女性社員が出張した際、冷凍保存した母乳を預かって自宅にいる赤ん坊に届ける----。そんなワーママ(ワーキングマザー)向けの支援を金融大手ゴールドマン・サックスが始める。CNNなどが報じた。
同様の支援はすでにいくつかの企業も採用しているが、巨大グローバル企業が導入を決めたことで、ほかの企業にも影響を与えそうだ。
CNNはゴールドマン・サックスの内部資料を入手したとして報道した。
それによると、ゴールドマン・サックスは、働き手の環境改善などのサービスを提供する企業「ライフケア」(アメリカ・コネチカット州)と提携、同社が提供するサービス「ミルクシップ(母乳搬送)」を活用する。
これにより、育児中の女性社員は出張先のホテルなどでライフケア社から冷凍保存キットを受け取り、搾乳した母乳を入れて自宅で待つ子どもに送り届けることができる。
世界中どこに出張してもキットは直接届くという。今のところ、このサービスを直接利用できるのはアメリカの事業所に所属する社員だけだが、アメリカ以外の従業員が同様のサービスを利用した場合も、その費用は会社が負担するという。
ゴールドマン・サックスで社員の健康管理を担当するグローバル責任者、ローラ・ヤング氏は「社員が日々の問題を解消できるよう、プログラムやサービスを提供し続けることを目指す。これにより、家庭でも職場でも社員たちがうまくいくよう後押しする」などと語ったという。
ミルクシップサービスの利用企業、続々
母乳育児と仕事を両立している女性にとって、職場や仕事中の搾乳・授乳の問題は重要だ。アメリカでは、企業は、仕事中の搾乳を福利厚生としてではなく、権利として認めなければならなくなった。
こうした流れを受け、母乳搬送を導入する企業がアメリカだけでなく、各国でも相次いでいる。
ビジネス・インサイダーによると、同様の支援策をTwitter社は2015年に導入したほか、IBMやコンサル大手のアクセンチュア、会計事務所大手「EY(アーンスト・アンド・ヤング)」なども取り入れた。