プレミアムシートに並んで座っていた男性同士のゲイカップルが、アラスカ航空の職員から「その座席を男女のカップルに譲るように」と告げられたとして、Facebookに怒りのメッセージを綴った。この投稿は2000回以上シェアされ、ネット上では航空会社への批判が高騰、アラスカ航空が謝罪する事態に至った。
Facebookに投稿した男性は、ロサンゼルスでバーを営むデイビッド・クーリーさん。パートナーの男性とニューヨーク発・ロス行きの便に搭乗しようとしていたところ、"事件"は起こった。
クーリーさんとパートナーの男性は、予約した隣同士のプレミアムシートに並んで座っていた。ところが突然、客室乗務員からエコノミークラスの席に移動して欲しいと要求された。その理由は、「別の男女のカップルがその席に座れるように」というものだった。
クーリーさんは、自分たちだって「カップルだ」と主張した。しかし聞き入れられず、しまいにはエコノミークラスに移らないなら飛行機を降りて欲しいと言われたという。
クーリーさんは7月30日、Facebookに次のように書き込んだ。
「私たちは、こんな侮辱された気持ちのまま、大陸を横断する(長い)フライトを耐えられないと思い、飛行機をあとにしました」
「このご時世にまさか、航空会社がストレートのカップルをゲイのカップルより優遇し、私たちに立ち去るように言うなんて信じられない」
そして、「アラスカ航空には二度と乗りません。彼らが最近買収したヴァージン航空グループにも」と宣言した。
アラスカ航空は謝罪「不快にさせる意図はなかった」
アラスカ航空は7月31日、クーリーさんに直接謝罪し、チケット代を返金したことを公表。合わせて謝罪文書を発表した。
同社は、可能な限りすべての家族に一緒に座ってもらうことをポリシーとしているというが、「今回、それが実現できていなかった事に対して、クーリーさんとパートナーの方に深くお詫びしたい」とコメント。
「お二人に不快な気持ちにさせる意図はございませんでした」とした。
加えて「アラスカ航空はあらゆる種類の差別を決して許さない方針です」とつづった。
同社の広報担当者はCBS Newsに対して、同便は満席で、客室乗務員が定刻に飛び立てるようにバタバタしている状況下で、2人の人を1つの座席に割り当ててしまうミスがあったと語った。
クーリーさんもFacebookでアラスカ航空から謝罪があったと報告。激励してくれた人たちに感謝を伝えた。
「みなさんの支援に感謝いたします。アラスカ航空は私たちに直接連絡をくれて、謝罪してくれました事態を整理して把握した上で、彼らの謝罪を受け入れ、解決を目指して動いてくれたことに感謝しています」