サッカー・ワールドカップロシア大会の決勝が7月15日モスクワであり、試合中に4人の男女がピッチに乱入する騒ぎが起きた。
4人はロシアの反政権の活動団体「プッシー・ライオット」のメンバーとみられる。政治犯の釈放などをロシア政府に訴えるために実行した、と団体は主張している。
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フランスがクロアチアに対し、2−1とリードしていた決勝戦の後半7分。突如、警察官の格好をした女性3人と男性1人がピッチに侵入。4人は走り回ったり、選手らとタッチをしたりするしたが、すぐに取り押さえられ、コートから出された。
その直後、ロシアのプーチン大統領に反対する活動で知られるグループ「プッシー・ライオット」がTwitterとFacebookで「犯行声明」を発表。メンバー4人が乱入したことを認めた上で、政治犯の釈放や、集会などでの不当逮捕や事件のでっち上げなどを止めるよう訴えるためだったという。
警察官の衣装を着たことについては、ソ連時代の詩人ドミトリー・プリゴフの命日が7月16日だったことにちなんだという。
プリゴフは、警察官を持ち上げることで暗に腐敗した警察官や権力を批判した詩をつくっており、プッシー・ライオットもそれになぞらえて、プーチン政権を批判しようとしたとみられる。
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決勝戦はプーチン大統領も試合を観戦していた。
プッシー・ライオットは2012年3月、ロシア正教会がプーチン大統領と「癒着」しているとして、モスクワにあるロシア正教会の大聖堂に目出し帽姿で侵入し、ゲリラ演奏を実行。その模様を撮影した動画を公開して抗議した。
だが、捜査当局は実行メンバー3人を「フーリガン行為」で逮捕した。これに対し、西側諸国は「逮捕は不当だ」などと一斉に抗議した。