甚大な被害が出ている西日本豪雨。いくつかの被災地では、災害ボランティアの受け入れが始まりつつあります。3連休を控えて「被災地の役に立ちたい」という方も多いと思います。
今回のような豪雨後の「水害ボランティア」に参加する上で、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。現地のボランティアセンターなどに話を聞きました。
まずは、全国社会福祉協議会(全社協)の公式サイトなどで、被災地のボランティア募集状況を確認しましょう。
被災地の状況は刻一刻と変化し、被災地によってニーズも異なり、一日当たりの受け入れ人数を制限したり、参加者を近隣地域の在住者に指定している場合があります。
また、河川の氾濫が続いていたり、交通網が寸断されていたり、土砂災害の危険がある地域もあります。車での乗り入れは危険な場所もあり、交通渋滞を起こす恐れもあります。参加先の自治体のホームページやSNSを確認し、現地の情報を必ず調べておきましょう。
災害ボランティアに参加する場合は、事前に「ボランティア保険」に加入しておきましょう。自分が住む地元の社会福祉協議会で加入できます。
被災地のボランティアセンターで加入することは、現場の受付を混雑させるなど迷惑になるおそれがあります。
ボランティアに向かう人は「自力」で装備を準備することが必要です。特に水害後は、乾いた汚泥などが飛散したりします。この季節は熱中症対策も必要です。適切な装備を整えましょう。
装備を準備する上では、「水害ボランティア作業マニュアル」(日本財団、レスキューストックヤード発行)が参考になります。作業時の注意事項や安全・衛生管理の注意も記されているので、必ず目を通しておきましょう。
被災地の状況やニーズによっては、必要とされる道具なども異なります。事前にボランティアに参加する地域の社会福祉協議会やボランティアセンターの情報を確認しましょう。
被災地のボランティアセンターでは、実際の活動に入る前にオリエンテーションが設けられます。そこでは「被災者に寄り添うような行動を」と強調されます。
熊本地震の時に私がボランティアに参加した時には、こんな説明がありました。
「たとえば被災者の家の片付けで、泥にまみれた箱を見つけたらどうするべきでしょうか。絶対にしてはいけないのは『このゴミどうしますか?』という聞き方です」
たとえゴミに見えても、被災した方にとってみれば、かけがえのない思い出の品かもしれません。
安易に「ゴミ」という言葉は使わず、「これは洗って、とっておきましょうか?」などと、現場では被災者に配慮した言葉遣いが求められます。
被災地ではいまだ流通網が寸断していたり、断水している地域もあります。支援物資は被災者のためのもの。外から被災地に入るボランティアの人は、自分の食料は自分で持参しましょう。
倉敷市の社会福祉協議会は「飲み物は最低でも1.5ℓは必要です」と呼びかけています。
夏に向けて暑くなるので、食べやすく、持ち運びやすく、保存が効くものを持参するのが良さそうです。携帯食などが役に立ちそうです。
ボランティア活動の中にはハードな仕事もあります。日をまたいでボランティアに参加する場合は、宿泊先を確保することが大切です。
ただ、被災地の宿泊施設の中には豪雨被害の影響で営業を停止していることもあります。地域によっては、そもそも宿泊施設が少ないこともあります。
岡山県総社市ボランティアセンターの担当者はハフポスト日本版の取材に対し「宿泊施設は自力で確保してほしいですが、体を休めるためにも車中泊は避けてください」と話していました。