日本の真の脅威はレバンドフスキにあらず? 選手たちを悩ますものとは?《ワールドカップ・ポーランド戦》

「これは避けられない」と専門家もお手上げ
ポーランド戦に備えて挑戦する日本代表=6月27日、ロシア南部ボルゴグラード
ポーランド戦に備えて挑戦する日本代表=6月27日、ロシア南部ボルゴグラード
Carl Court via Getty Images

サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本(世界ランク61位)は6月28日午後11時(日本時間)から、ポーランド(同8位)との対戦に挑む。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるほか、敗れても同じグループのセネガル対コロンビア戦の行方によっては決勝に進める。

ポーランドは2連敗を喫し、すでに1次リーグ敗退が決まっている。とはいえ、実力的には日本より格上で、不調続きのエースストライカー、レバンドフスキが復活すれば苦戦を強いられることは確実だ。

だが、日本を苦しめるかもしれない「脅威」はほかにもあった。

6月18日。ロシア南部のボルゴグラードにあるスタジアムのピッチでは試合前、イングランドの選手たちがしきりに虫除けスプレーを体にかける。それでも試合が始まると、選手たちにはまとわりつく大量の虫に悩まされ続けた。FWケインも思わず記者団に不満をぶちまけた。

試合中、虫を払うイングランドのラヒーム・スターリング選手=6月18日、ロシア南部ボルゴグラード
試合中、虫を払うイングランドのラヒーム・スターリング選手=6月18日、ロシア南部ボルゴグラード
Clive Rose via Getty Images

スタジアムのすぐ横には、巨大なボルガ川が流れ、この時期はユスリカやハエなどが大量に発生する。その影響で、ピッチ上も虫が飛び交っている状態だ。

ボルゴグラード・スタジアム。すぐ横をボルガ川が流れる
ボルゴグラード・スタジアム。すぐ横をボルガ川が流れる
PHILIPPE DESMAZES via Getty Images

事態を重くみた地元行政は、虫が苦手とするバニラを濃縮した薬品をスタジアム周辺の木々に塗るなどの対策に乗り出した。ロシアの民間通信社「インタファクス」の取材に対し、担当者は「虫には効果があるが、人体には影響はない」と話す。試合がある2日前から朝と夜に薬を塗っているという。

虫の大量発生は18日がピークだったと当局は説明したが、その「脅威」は一向に収まる気配はなさそう。産経新聞によると、町中にあるパブリックビューイング会場では、「立っていられないほどの多さの虫」と日本人サポーターが嘆いたという。

また、町中のスーパーマーケットなどでは粉末バニラが売り切れの状態になっている、とテレビ朝日は報じた。

ロシア気象庁の研究部門トップ、ロマン・ビリファンド氏はインタファクス記者に「この時期、ロシア南部では天気の良し悪しにかかわらず、虫は大量発生する。これは避けられない」と話した。

蒸し暑さも選手たちを悩ませそうだ。ロシアのポータルサイト「ヤンデックス」によると、28日の天気予報は晴れ。最高気温は36度、夜でも25度となる見通し。

もっとも、虫も気温も両チームにとって同じ条件。実力と結束力、集中力など地力に勝る方が勝利をつかむのは当然のことだ。

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