25になったから膝は出さない。30を過ぎたから濃い色のシャドウは使わない。
歳を重ねるごとに制限をかけて、"自分らしさ"を忘れる私たち。
けれど、渡辺直美は違う。いつも全力で、ありのままを生きている。
"ワンアンドオンリー"。そんな言葉が似合う、私たちのヒーローだ。
今回ハフポスト日本版は、ニューヨークで行われた『TGC(東京ガールズコレクション)ファッションセレモニー at 国連ニューヨーク本部』を取材。ランウェイ後の渡辺直美とモデルたちにインタビューを敢行した。
東京ガールズコレクションがNYに上陸!
2018年5月31日、「世界文化多様性の日」の記念行事として、国連ニューヨーク本部で『東京ガールズコレクション』が開催された。
『SDGs』(持続可能な開発のため、社会が国際的に取り組むべき17の目標)の認知拡大、なかでもジェンダー平等と女性力推進を目指し開催された今回のイベントには、全身脱毛サロン『キレイモ』を運営する株式会社ヴィエリスも参加。
タレントの渡辺直美さん始め、堀田茜さん、八木アリサさん、Nikiさん、藤井サチさん5名のモデルが『エンパワーメント』『ジェンダー』、そして『100% GIRLS』をテーマとしたパワフルなステージを披露した。
ニューヨークで発揮された、渡辺直美の"100%"POWER(パワー)
熱気にあふれた会場が、世界のコメディエンヌを待ち構えていた。
ステージ袖から颯爽と現れた渡辺直美さんは、軽快なBGMに合わせてピンク色の髪を振り乱しながら闊歩した。
スポットライトの光を跳ね返すほどの艶やかな表情、存在感。サービス精神たっぷりにカメラ目線を送り、体をくねらせる。会場内の人々は一瞬で魅了され、この日いちばんの歓声が湧いた。
ステージ後のナオミに直撃取材
興奮冷めやらぬまま訪れた別室で、渡辺直美さんにマイクを向けた。
ランウェイの感想をたずねると、安堵の表情とともに「めちゃめちゃ緊張しました」と一言。会場の雰囲気もまったく予想できず、世界中から集まった観客たちに白い目で見られるのではないかと不安もあったが「手を振っていただいたり、声をかけていただいたり、思った以上に温かく受け入れてもらえて嬉しかったです。貴重な経験となりました」と述べた。
自分を好きでいることが、パワーの源
今回のTGC(東京ガールズコレクション)ファッションセレモニーで『キレイモ』がプロデュースしたステージテーマのひとつは、「エンパワーメント」。
女性として、人として、"自分らしさ"を貫くために大切なこととして、渡辺さんは「自分をよく理解して、好きでいること」が重要だと主張する。
「ダメなところや弱点にばかり目を向けるのではなく、ポジティブな姿勢で自分自身と向き合うことを意識しています」
そうすることで、自分だけの個性が見つかり、強みになる。前向きに生きるパワーの源になっていくのだ。
また、海外留学経験のある渡辺さんはボーダーレスな視点も持っており、世界から見た日本人女性について、「海外では日本人の女性はおとなしいと言われがちですが、必ずしもそうではないと思います」と言及。
さらに「日本人女性も他国の女性と変わらずに元気でパワフルだし、前進していく力もあります。東京オリンピック開催に向けて、日本文化が世界に広まると同時に、ステレオタイプな日本人女性のイメージも払拭されたら」と付け加えた。
「勇気を与えられる存在になりたい」
最近では、大手ブランドが水着の広告塔にプラスサイズモデルを起用するなど、世界中でボディ・ポジティブというムーブメントが話題になってきている。
日本でもプラスサイズ向けのファッション雑誌が誕生し、洋服のサイズ展開も豊富になってきた。人気ブランド『punyus』のデザイナーも務める渡辺さんは、最近のこのムーブメントを「とても嬉しいこと」と言い、「私たちのような体型の人たちと、スレンダーな体型のモデルさんたちと、ともに手を取り合って新しいことに取り組んでいけたら、より多様性のある世界が広がるのではないでしょうか」と述べた。
どんな体型や見た目であれ、一人ひとりが100%自分らしく活躍できる社会となるように。これからも、ありのままの自分を理解する大切さを、周囲の人たちへ伝えていきたいと言う。
「アメリカにいても、日本にいても、私は私。どこにいても"自分らしさ"は変わらないということを、今日は『キレイモ』さんのステージで体現できたと思います」
著名なモデルと並びたち、世界中から集まったメディアの前にたってもブレない。芯のあるオーラは、自分が"好き"だと感じるものに忠実だからこそ。
「私は、ありがたいことに自分の好きな表現ができています。でも、自分のやりたいことができなかったり、意見が言えなかったりする人たちも世の中にはたくさんいらっしゃると思います。
そんな人たちが一歩踏み出せるように、私自身が"自分らしさ"を発信していくことで、背中を押したい。男女問わず、夢や目標に向かう人たちへ、勇気を与えられる存在になりたいですね」
そして、"日本のビヨンセ"は、多様性が広まる社会について、力強いメッセージで締めくくった。
「多様性が重要視されるほど、周りに惑わされず、自分の意見を大事にしたいと思っています。それを押し付けるのではなく、前向きに発信することが大切。私はこれが好き、あなたはこれが好き、お互いに違っていていいよね、というポジティブな理解が広まっていくことを願っています」
私は、100%「 」GIRL!!
今回モデルたちが着用したTシャツには「100%」と「GIRL!!」の間に空白があり、それぞれに「なりたい私」を表すキーワードが入っている。
100%"SMILE"GIRL!! を掲げる堀田茜さん(写真上)は、理想とする女性像について「器の大きい女性に憧れます。スマイルを大切に、しなやかに生きていきたい」と述べた。
八木アリサさん(写真下)は「男女関係なく、どんどんチャレンジしていく人が素敵だと思いますし、自分自身もそうなれるように」という意味を込めて、100%"CHALLENGE" GIRL!! を選んだという。
Nikiさんは(写真上)、"HAPPY"というワードを選んだ理由として「毎日をハッピーに、楽しく過ごしている女性は、キラキラ輝いて見えますよね」と答えた。
藤井サチさん(写真下)は国際協力に興味があり、大学で国連についての勉強もしている。今回の経験は「一生の思い出」になったと喜びの表情を見せた藤井さんは、100%"POSITIVE" GIRL!! をテーマとした。その言葉通りの前向きなコメントも印象的だった。
「自分と他人を比べて、劣っているところに目を向けてしまうこともありますが、ないものを嘆くより、自身と真摯に向き合って、強みを探し出すことが大切だと思っています。ありのままの自分を受け入れて、愛せる人になりたいですね」
女性が働きやすい職場づくりは、"褒める文化"から
『キレイモ』COOの佐伯真唯子さんは、「2018国連ニューヨーク本部SDGs推進会議」の第1部カンファレンスにて「『キレイモ』はSDGs推進をサポートし、すベての女性が自分らしく輝ける未来を目指す」とスピーチを行った。
では、女性が"自分らしく"働くには、どうすればいいのか。
結婚、出産、育児、介護など、大きなターニングポイントを抱える女性の人生に対し、企業としてどのようなサポートを心がけているのか。
カンファレンス後のインタビューで、佐伯さんは「どのような状況下であっても仕事との両立ができるように、自由なキャリアを創造できるような環境づくりを徹底しています」と述べた。
特に女性が働きやすいと感じるには、まず、精神面での負担を排除し、やりがいを感じてもらうことが大切だ。そういった感情面でのサポートに関して、『キレイモ』では"褒める文化"を育ててきた。
「社内SNSには毎日30件ほど、スタッフのポジティブな情報が表示されます。一人で施術に入れるようになった新人を褒めたり、産休から復帰した人へお祝いコメントをしたり、上司が部下の頑張りを評価したり。日々コメントが活発に飛び交っています」
人のいいところを探すうちに、自分自身を振り返り、「もっと頑張ろう」と前向きになるスタッフもたくさんいるという。
1000名を超える社員のうち、98%が女性。だからこそ...
『キレイモ』の社員は98%が女性だ。残り2%の男性社員たちも女性社員と変わらず、企業の要となっている。創業当時から、男性/女性と分け隔てることのないジェンダーレスな働き方を推進し、細かなコミュニケーションを大切にしてきた。
『働き方改革』の進む日本では、女性の雇用および役員採用が促進されているが、『キレイモ』のような企業はまだ数少ない。
「日本も昔と比べれば、女性が働きやすくなってきているとは思います。しかし、企業がもっと女性の管理職や役職者が増えるように取り組んでいけば、男女ともにより働きがいのある環境が作られると思いますし、SDGs達成の近道にもなるのではないでしょうか」
"自分らしさ"は、"自分理解"から
自分らしく生きるといっても、正直難しい。そう思うのもまた、当たり前のことだろう。最初はマイナスな部分ばかりが目につくかもしれない。けれど、渡辺直美さんは言った。「短所は見方を変えれば長所にもなり得ます。自分に正直に生きれば、みんなにもハッピーが伝播して、一度しかない人生をより楽しく過ごせるのでは」―――100%自分らしく生きる彼女を見習い、まずは自分を知ることから始めてみよう。
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