トランプ米大統領は20日、メキシコ国境で不法入国した親子を引き離して拘束する措置をやめ、一緒に収容することを定める大統領令に署名した。国際社会からの批判が高まる中、方針を撤回した形だ。ロイターなどが報じた。
トランプ氏は署名の際、「家族が引き裂かれる光景は見たくない」と理由を説明。一方、不法移民に対する「強い姿勢」に変化はないとも強調した。
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トランプ政権は4月に、すべての不法入国者を犯罪者として訴追する「不寛容政策」を4月に導入。
アメリカでは移民の子供を20日間以上収容してはならないという裁判所の判断があり、政権がこれを尊重したため、親と引き離されて別の施設で保護される子供が相次いでいた。こうした子供は約2500人に上るとされる。
オバマ前大統領も「世界難民の日」である6月20日、Facebookで「これは私たちが目の当たりにして心の叫び声が聞いている多くの家族の現実です」と以下のような非難の声明を発表した。15万シェアされるなど大きな反響を呼んでいる。
「家族がリアルタイムに引き離されてる様子を見ることは、私たちに、非常にシンプルな質問を投げかけてます。 私たちは、両親の腕から子どもを引き裂くという残虐行為を受け入れる国家なのか。それも家族を大切にする国なのか。私たちは見ないふりをするのか。それとも自分自身と子供たちのこととしてとらえることを選ぶのか」
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海外からの批判も相次ぎ、カナダのトルドー首相は20日、不法移民の親子が別々に暮らす状況は「容認できない」と批判。イギリスのメイ首相も「間違っている」と述べていた。