東海道新幹線「のぞみ」の車両内で6月9日午後、3人が刃物で切られ、男性1人が死亡、女性2人が重傷を負う事件が起きた。
メディアが報じた乗客の証言などから、車内の様子が明らかになってきている。産経新聞は、死亡した男性が、容疑者の男の犯行を止めに入ろうとして犠牲になった可能性があると報じている。
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犯行現場は、新横浜ー小田原間を走行していた東京発新大阪行き「のぞみ265号」の12号車。車両に居合わせた女性が、犯行を様子を産経新聞に語っている。
容疑者は12号車の通路側の席に座っていたところ、突然立ち上がり、隣の席の女性に刃物のようなものを無言で振り下ろした。男性が止めに入ってもみ合いになり、容疑者が男性に刃物で迫ったという。
12号車に乗り合わせた別の男性も、朝日新聞に当時の様子を語っている。デッキに逃げ出し12号車を覗くと、通路の真ん中に男性が仰向けで倒れており、馬乗りになった容疑者が無表情で何度も刃物を振り下ろしていたという。車掌がトランクを盾に容疑者に近づき、説得を試みているようだった。目撃者の男性は「こんな体験をするとは夢にも思わなかった。怖い」と振り返った。
また、その場に居合わせた別の女性は、容疑者が刃物のようなものを振り回す姿を目撃し、「自分も殺されるのではないか」と恐怖を覚えた。
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「車内はパニックになっていた。犯人は、無言で一点を見つめながら、刃物を2、3回振り回しているように見えた。走って前の方の車両に逃げた」と、NHKの取材に語った。