日本大学アメフト部の危険タックル問題で、責任を問われている内田正人前監督。日本大学は6月1日の理事会で、内田氏が兼任していた「常務理事」(人事担当)を辞任することを承認した。
理事会後、大塚吉兵衛学長らがスポーツ庁を訪問。問題を調査するため、弁護士7人による第三者委員会を設置したことや、内田氏の辞任などを報告した。調査結果は7月下旬に報告する予定だという。
大塚学長はスポーツ庁への報告後に記者会見し、内田氏からは「多大な迷惑をかけた責任を取って(常務理事を)辞任したい」と申し出があったことを明らかにした。
報道陣からは、日大の田中英寿理事長が記者会見などを開いていないことを指摘する声が相次いだ。
冒頭のやり取りは以下の通り。
――第三者委員会のガバナンス対応を検証すべきという話があったが、これまで理事会の長である理事長が会見もしていない。今回の報告も理事長がするべきではなかったのか。
今回は保健体育審議会というもので、私が全部の責任を負っている立場上、部の中の活動についてはこのような事態を招くということ自体が予想されていなかった。
対外的なことを考えて作ってある規則でありますので、監督は監督の責任という形で預けたままという面があって、我々が入れる部分が少なくなっていた。そういう規定があまりなかった。
部活動に対してサポートということばかり考えていた。部活動の中身についてまで、監督・コーチのことに対する注意とか、そういうところでちょっと手抜き、手落ちがあったということで。 全部の運動部に対して、その辺のことを見直すことを進めている。部活動の中身についての検討というのがあまりなかったというのが失念していた。
――私が聞いたのは理事長がなぜ出てこないのかですが。
どういう意味ですか。
――ガバナンス対応の強化というなら、田中理事長が責任を取って何らかの対応をするべきでは。文科省への説明も学長だった。なぜか。
まあ、あの、私の受け止め方が、学生の問題を中心にという形で受け止めているので。今度の第三者委員会というのは、法人の結論を第三者委員会におまかせしているので、その折には理事長からお答えをいただくことになると思います。
田中理事長の説明責任を求める声が高まっているが、大塚学長はあくまで「今回の問題は私の管轄」と強調。
一方で、「理事長が説明しなくてもいいと。それで世間は納得するか」という質問が出ると、「それはなかなか難しいと思います」と吐露。田中理事長による説明の機会を求める声に一定の理解を示した。
その上で大塚学長は「第三者委員会の最終結論をどう受け止めるかは、理事長から発言していかなければいけないというのが私の考え」と述べた。