藤井聡太七段、早指し将棋は「決断力」 羽生竜王着想ルールで「早指しならではの臨場感を」

「決断力はかなり重要になってくるかな」
時事通信社

藤井聡太七段、早指し将棋は「決断力」 羽生竜王着想ルールで「早指しならではの臨場感を」

 インターネットテレビ局・AbemaTVの「将棋チャンネル」で、羽生善治竜王(永世七冠)の着想から生まれた新番組『AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治』の収録が27日、都内で行われた。対局前に藤井聡太七段が囲み取材を行い、意気込みを語った。

 羽生竜王の着想で作られたトーナメントは、持ち時間が増減する「AbemaTVルール」で対局が行われる。持ち時間5分で開始し、1手指すごとに5秒が加算、持ち時間が切れると負けとなるフィッシャールールを採用。チェスでも用いられるものだが、対局は通常の将棋と同じく正座形式で行います。1対局約30分と初心者でも楽しみやすい、スピーディーな展開が見所のオリジナルルールとなっている。

 変則ルールとなるが、対局前に藤井七段は「早指しは常にスリリングな展開になる。対局者としては決断力。全ての手を読むことはできないので、選択も大事になる」と口にし「早指しは自分を信じることも大切。自分を信じてやりたい」と力強く語っていた。

 対局後、藤井七段は「直感で指しているうちは(持ち時間が)増えていくんですけど、1度考えると一気に減ってしまう。そのあたりの使い方は難しいなって思いました。終盤に時間を残そうと思ったんですけど、実際はなかなか難しいと思いました」と振り返った。「時間のない中でも冷静に判断した」と話し、フィッシャールールで必要なものについて「決断力はかなり重要になってくるかな」と感想を語った。

 「これほど短い時間で、というのはなかなかない。その中で、いかに決断していくのかは新鮮に感じました。普段の対局とは感覚が違って面白かったです」とにっこり。また、解説も間に合わないほどのスピード感となった。「見ている方にとってスリリングで面白いものだと思う。早指しならではの臨場感を感じていただけたら嬉しいですね」と見どころを説明した。

 最後は「充実感はありましたね」と対局を楽しんでいた。

 予選に参加する12人は、A、B、Cの3ブロック各4人に分かれ対決。三番勝負を2度制した2人が、本戦トーナメントへ進出する。藤井七段は橋本崇載八段、三枚堂達也六段、近藤誠也五段と共にAブロックに参加。この日は近藤五段と対局となる。勝ち抜けば、シード棋士・羽生善治竜王、久保利明王将の2人を加えた8人で本戦トーナメントで対局を行い、優勝者を決定する。

 対局の模様は6月17日午後8時から放送される。

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