難病治療をめぐる裁判で国際的に注目を浴びていた、アルフィー・エバンズくん(1歳11カ月)が4月28日になくなった。両親がFacebookで明らかにした。
ロイター通信によると、アルフィーくんは神経変性疾患で、慢性のてんかん発作があり、1年以上ほぼ植物状態だった。
いくつもの裁判の末、イギリス・リバプール市にある小児病院の医者らは、両親の希望に反して、4月23日にアルフィーくんの人工呼吸器を外した。アルフィーくんは、人工呼吸器を外した後も数日にわたって自力で呼吸していたが、28日未明に亡くなった。
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父親のトム・エバンズさんは「剣闘士は盾を手放し、午前2時30分に翼を授かりました。心が張り裂けそうです」とFacebookに投稿した。
BBCによれば、両親は最初の裁判で「治療に希望がない」と判決をくだされた後も、控訴審、最高裁、欧州人権裁判所に訴え、活路を見出そうとした。
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そして4月23日には、イタリアがアルフィー君に市民権を付与。両親は、手を差し伸べてくれたイタリア・ローマの子ども病院での治療を望んだが、イギリスの裁判所は生命維持装置が外された後で海外へ移動することを認めなかった。
両親の支援者らは病院の前で抗議活動を続け、欧州人権裁判所が仲裁を拒否した際にはあわや突入しかけたほどだった。しかし、エバンスさんは4月26日、支援者らに感謝を伝え、解散するようお願いしていた。
両親とアルフィーくんの支援を約束していたローマ法王は、Twitterで「胸を痛めています」と哀悼の意を示した。
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アルフィーくんの死には、深く胸を痛めています。彼が神に抱擁されることを、ご両親のために祈ります。