東京レインボープライド2018はじまる。東京五輪を見据え、「愛と平等」テーマ

パレードは5月6日
Sii Udagawa

LGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの理解を深めるイベント「東京レインボープライド2018」が今年も始まる。

ゴールデンウィーク中の4月28日から5月8日まで「プライド・ウィーク」として様々なイベントが開催され、初日となる28日にはオープニング・レセプションが「ホテル コエ トーキョー」(渋谷区)で開かれた。

会場には、一般参加者や、LGBTQの問題に取り組むアクティビスト(活動家)、政治家、賛同企業の有志ら多くの人が集まり、イベントの開幕を祝った。

2017年まで同レセプション会場は東京都庁だったが、今年は渋谷公園通りのデザイナーズホテルに移り、よりカジュアルな雰囲気に。DJブースも設けられクラブイベントのような盛り上がりを見せた。

左からドラァグ・クイーンのブルボンヌさんとフジテレビの阿部知代さん
左からドラァグ・クイーンのブルボンヌさんとフジテレビの阿部知代さん
Sii Udagawa

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて

ステージでは「LGBTと東京オリンピック2020」と題したディスカッションも行われた。

登壇したのは特定非営利活動法人「東京レインボープライド」共同代表理事の杉山文野さんと、元フェンシング日本代表で公益社団法人日本フェンシング協会会長の太田雄貴さん、元サッカー日本女子代表でタレントの丸山桂里奈さんの3人。

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杉山さんはオリンピック憲章でセクシュアリティによる差別が禁止されていることを指摘。前回のリオ五輪を例に挙げて2020年に向けて取り組みの強化を訴えた。

「リオオリンピックでは最多の56名のオリンピアがカミングアウトし、聖火リレーにトランスジェンダーが起用されるなど、史上もっとも多様性に富んだ大会と言われました。東京でも多くの選手がカミングアウトできる環境を整えたい」(杉山さん)

「幼なじみがトランスジェンダーで中学生の頃にカミングアウトされました。自分に嘘をつかないで生きていくことが大切だと思い、セクシュアル・マイノリティへの偏見はなくなりました。女子サッカー界は海外ではカミングアウトしている選手もいてオープンな雰囲気があります」(丸山さん)

「スポーツ界は男女別がはっきりしていて、体育会系の縦社会でもあり男子アスリート界はカミングアウトが難しい状況があります。スポンサードする企業の意識の問題もあり、誰かが声をあげてカミングアウトすることがかっこいいんだというムードを作ることが必要」(太田さん)

「東京レインボープライド2015」のステージ上でカミングアウトしたオープンリー・ゲイのシンガー、清貴さんも登場。アカペラで『WE ARE ONE』を唄い会場も一体となる盛り上がりを見せた。

Sii Udagawa

東京を多様性のある都市に、渋谷の街がレインボーカラーに

会場には、作家・乙武洋匡さんの姿も。ロンドンやニューヨークでの生活体験や取材を元にしたセクシュアル・マイノリティについての発信も多い。

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「LGBTに限らずどんな境遇に生まれても同じチャンス、選択肢が与えられる社会を実現すべきだと思います。ここ1年ほど滞在していたロンドンやニューヨークは多様性の面で東京の先を行く都市。そこで活動している方にもお話を聞き2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて東京が見習うべき都市作りのポイントについて勉強してきました。東京をさらに多様性のある都市にしていきたいですね」

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司会を務めたブルボンヌさん。

「レインボープライドには長年関わってきていますが、動員数や協賛企業の数を見ても、昨年は一気にステップアップした感がありました。ブレイクスルーを経た今年はさらなる広がりが見られるのではないかと期待しています」

Sii Udagawa

東京レインボープライド共同代表理事の山縣真矢さん(左)と杉山文野さん(右)。

「プライド・フェスティバルは例年、渋谷区の代々木公園で行われますが今回はレセプション会場も渋谷。一帯は街灯路フラッグや商業施設の壁面バナーもレインボーカラーで彩られています。昨年以上に渋谷という街が盛り上げてくれていることが嬉しいです」(山縣さん)

「今年のテーマはLOVE & EQUALITY。特別な人たちが特別なことをやろうというのではなく、すべての人のためのイベントであることを伝えられたらと思います」(杉山さん)

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5月5日、6日には代々木公園を会場にメインイベントの「プライド・フェスティバル」が開催。6日には、2017年に約5000名が参加したパレードも行われる予定だ。またステージに浜崎あゆみさんが登場することも決まっている。

ハフポスト日本版でも、東京レインボープライドの開催中、セクシュアル・マイノリティをテーマにした記事を順次掲載していく。

(取材・文 宇田川しい 編集:笹川かおり)

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