アメリカの次期国務長官に指名されている中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官が、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と面会したと、ワシントン・ポストなどが4月17日報じた。
ポンペオ氏は3月31日〜4月1日ごろ、極秘で北朝鮮を訪れたという。トランプ大統領と金氏との首脳会談の準備を進めるためとみられる。
トランプ氏は、ポンペオ氏を次期国務長官に指名している。12日に行われた上院外交委員会の指名承認公聴会でポンペオ氏は、「アメリカ政府が、(会談のための)適切な条件を整えることが出来ると楽観視している」と語った上で、北朝鮮との対話が「アメリカおよび世界が熱望している」成果を達成できると述べた。
■ 対話路線を進める米朝
北朝鮮がアメリカや韓国と対話する意志を示して以降、アメリカと北朝鮮の緊張緩和が進んでいる。3月5日には、韓国の特使団が米朝対話を促進させるために金氏と会談した。
ホワイトハウスは、米朝首脳会談が「5月か6月の上旬に行われる」と述べている。
CNNによると、トランプ氏は17日、首脳会談の開催地として5か所を候補に検討していると明らかにしたが、いずれもアメリカ以外だ。トランプ氏は安倍晋三首相との会談の際で、米朝首脳会談の実現に向けて高官による調整を進めていると記者団に明かした。
「いつも言っている通り、我々は推移を見守っていく」と、トランプ氏は語った。「最終的に、大切なのは結果だからだ」
■ 非核化の意向を示す金正恩氏
ニューヨーク・タイムズによると、金氏は4月27日に予定されている韓国の文在寅大統領との会談で、公式に非核化計画を表明する準備を進めているという。
金氏はまた、3月、労働党委員長に就任後初めてとなる外遊で中国の習近平国家主席と会談した。会談は習氏の強い要請によって実現したもので、金氏は「友好関係が発展する」ことを願っていると語った。
■ 軍事専門家「非核化実現の見込みは薄い」
金正恩氏はこれまで繰り返し非核化について協議する意向を示しているが、専門家は、北朝鮮が簡単に核開発を放棄することに対して懐疑的だ。
ミドルベリー・インスティチュートのジェフリー・ルイス氏は、ニューヨーク・タイムズへの寄稿で次のように指摘した。
「前向きな発言に見えるが、金一族の恒久的な体制支配を保証する合意がない限り、実現の見込みは薄い。(中略)非核化に合意するというより、金氏は玉虫色の決着に向かって、対話に臨む意向だ」
ハフポストUS版より翻訳、編集しました。