青島文化教材社(アオシマ)が発売予定のプラモデルを批判する声が出ている。
問題となっているのは、イギリス海軍の重巡洋艦「エクセター」のプラモデルのパッケージに描かれたイラストだ。
エクセターは1942年に日本海軍の攻撃によって、スラバヤ沖海戦に沈没した。その際、日本の駆逐艦「電(いなづま)」が、漂流するエクセターの生存者を救助したと伝えられている。そのため、今回のプラモデルにも、ヤマシタホビーの特型駆逐艦「電」が同梱されている。
「敵兵を救助せよ!アオシマウォーターライン 英国重巡洋艦 エクセター スラバヤ沖海戦」の名前で、4月中に税別3800円で発売予定だ。
■「ファンの神経を逆撫でしかねない」の声も
イラストはエクセターが沈没するシーンを描いており、駆逐艦「電」の向こうで、炎上して斜めに傾いたエクセターが沈みかかっている。このイラストについて、Twitter上では「主役のはずのフネをまるで脇役、背景キャラのように描く」「ファンの神経を逆撫でしかねない」などの声が出ている。
アオシマでは以前から、プラモデルの箱に沈没シーンを描くことで知られている。2013年に「護衛艦ひゅうが 離島防衛作戦」のパッケージで、中国の 「遼寧」とよく似た空母が沈没していたほか、2015年にも「米国海軍 航空母艦 WASP&日本海軍 潜水艦 伊19」で、WASPが炎上・沈没するシーンが描かれていた。
こうしたイラストへの批判に対して、アオシマはどう考えているのか。広報担当者はハフポスト日本版の取材に対して、以下のように答えた。
■アオシマのコメント
弊社は戦争や政治について思想は一切ございません。また兵器を美化したり戦争における行為を美談とする意図も無いことを、先にお伝えさせて頂きます。
艦船の商品化にあたり、専門家やマニアの方々の意見を伺いながら、歴史上、有名な艦船や活躍をした艦船を模型にしております。
弊社の艦船がすべて、沈没したカットを使用しているわけではございません。またそれぞれの艦船が任務を遂行する中で、様々な場面が記録されますが、それらを艦船のごく一部の動きとして捕らえているに過ぎません。
ごく限られたプラモデルという閉じた環境の中で箱のデザインとしているわけで、他意はありません。