学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる、決裁文書改ざん問題。佐川宣寿前国税庁長官への証人喚問が3月27日午後、衆院予算委員会で開かれた。
森友学園と近畿財務局との交渉記録については、佐川氏が2017年2月の国会答弁で「ない」と繰り返し述べていた。しかし、実際には今回見つかった「改ざん前」の決裁文書に、交渉の様子は詳しく記載されていた。
当時の答弁は何だったのか、共産党の宮本岳志議員が追及した。
宮本議員と佐川氏のやりとりは次の通り。
宮本議員:昨年2月24日の衆議院予算委員会で、面会等の記録は平成28年6月20日の売買契約締結を持って破棄しているという答弁をしております。この答弁は虚偽答弁ですか?
佐川氏:「6月20日を持って廃棄した」という私の答弁は、財務省の文書管理記規則の取り扱いをもって答弁したということで、丁寧さを欠いていました。申し訳ありませんでした。
○宮本(岳)委員:近畿財務局が昨年六月に売買契約を締結した国有地の売却に関する交渉記録も、今言ったように、あるかどうかわからないという答えでありました。この交渉記録あるいは面会記録、これは全て残っておりますね。
○佐川政府参考人:昨年六月の売買契約の締結に至るまでの財務局と学園側の交渉記録につきまして、委員からの御依頼を受けまして確認しましたところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録というのはございませんでした。
○宮本(岳)委員:いつ廃棄したんですか。
○佐川政府参考人:お答え申し上げます。 面会等の記録につきましては、財務省の行政文書管理規則に基づきまして保存期間一年未満とされておりまして、具体的な廃棄時期につきましては、事案の終了ということで取り扱いをさせていただいております。 したがいまして、本件につきましては、平成二十八年六月の売買契約締結をもちまして既に事案が終了してございますので、記録が残っていないということでございます。
○宮本(岳)委員:驚くべき答弁ですね。六月の二十日に売買契約を交わしたら、その日のうちに処分したということですか。そんなのは国民は全く納得できないですよ。そういうことですか。
○佐川政府参考人:今申し上げましたように、売買契約締結をもって事案が終了しているということなので、当日、その日かどうかは別にしても、速やかに事案終了で廃棄をしているということだと思いますので、記録は残ってございません。
宮本議員:あなたは午前中の証言で「個別の事案についてもきちんと確認をして答弁をしなかったという点で丁寧さを欠いた」という答弁をしているんですね。
しかし、2月24日の私に対する答弁で、「昨年6月の売買契約に至るまでの財務局と学園側の交渉記録について、委員からのご依頼を受けて確認したところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録はありませんでした」と。「確認して、なかった」と答弁しているので、一般的な規則を答弁しているのではないです。どちらかが虚偽ですね。
佐川氏:大変申し訳ありません。その「確認した」という意味ですが、理財局に文書の取り扱い規則を確認したということで、そのように答弁してしまいました。申し訳ありませんでした。〈頭下げる〉
■「文書の取り扱い規則の話をしてございました」
宮本議員:答弁になってないですよ。そんなの通らないですよ
河村健夫委員長:再答弁してください。
佐川氏:本当に申し訳ありませんでした。文書の取り扱い規則の話をしてございました。すみません。〈頭下げる〉
宮本議員:この答弁については、虚偽答弁を認めますか。
佐川氏:私自身は、虚偽という認識は、その時はございませんでした。〈頭下げる〉